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試行と実践―変容的学習の第8段階から第9段階 #放送大学講義録(成人の発達と学習第9回その5)

ーーーー講義録始めーーーー

 

第8段階:新しい役割の暫定的試行


講師:第8段階に移りますが、第8段階は新しい役割の暫定的試行ということで言われています。活動を始めるにあたり、どのような試行錯誤をなさったでしょうか。この段階は、自分の新たな役割を受け止め、可能かどうかを暫定的に試してみて、必要に応じて関係の修正や新しい関係の取り決めを行うということなんですが、そういうことは何かありましたか。
桜井さん:そうですね。やはりその前の段階で、インプット、要は海外での気付きですとかっていうものを学んできた時に一番教えられたのは、発信をちゃんとしなさいっていうことだったんですね。ええ、学んだものはちゃんと社会に発信をしなさい。それが世の中を変えるということ、社会貢献というのはそういうことなんだよっていうことをものすごく教え込まれました。

 

社会への発信


桜井さん:なので、この学んだことに関してはですね、全て私はその後は発信の仕方というのをとにかく考えました。例えば、調査をして、その数字でものを言っていくことですとか、あるいはメディアの方たちと連携をしてですね、今患者はこういうことで悩んでるんですよということを広く発信してもらうこと。それから、論文を投稿してみたりとか、色々な今こんなことで悩んでるんですよというような話を、医療者の方とか一般の方とかといろんなお話をするというようなことも行いました。
講師:そうですか。はい。社会的に非常にこう影響を与える活動に入っていかれるわけですね。
桜井さん:ですね。まさにそういう形になっていったなと思っています。

 

第9段階:能力と自信の獲得


講師:さて、第9段階になりますが、新しい役割の中での能力と自信の獲得ということです。これまでのプロセスを経て、新たな役割や関係性の中で能力と自信を築くということですが、現在の桜井さんの活動の中で、がんの経験を踏まえて、桜井さんはどのような能力を新たに身につけ、自信を築くようになりましたか。

 

資格取得への挑戦


桜井さん:そうですね。自分ががんになって、海外で色々な学習をしたりっていうこと、こういう能力を身につけたなっていうこともすごく思ったんですけども、自信っていうところになると、まだ不確定なところがあったんですね。というのは、やはり医療の世界というのは資格ですね。国家資格とか、こういうのがやっぱりすごくものを言うんですよ。で、患者というのは患者経験でしかなくて、資格ではないと思いましたので、色々な活動をする中で、もっと基礎に則ってちゃんとものを言いたいなっていうことを思いました。
なので、私は、この後からですね、精神保健福祉士や社会福祉士といった資格の取得の勉強というのを始めたりとか、あるいは、勉強を始めて資格を得ることで、きちんとその資格に基づいての意見が言えるようになるっていう、これはすごく大きな自分の中での自信になってってますね。経験だけじゃないよって、ちゃんと勉強もしましたよっていうところで、対等になれると言ったらちょっと語弊はあるかもしれないんですけども、そういう自信はすごく持つことができるようになったなと思っています。 

 

資格が経験を意味づける


講師:そうですか。そうしますと、資格というものが経験を意味付けるために必要だったということでしょうか。
桜井さん:そうですね。それは多分、こういう放送大学の学習等々もあるかなと思っています。例えば心理学の勉強もそうですし、やはりそういう学問を得るということは、自分に対して自信を持っていく一つの手段になるんだななんていうことをすごく思ったりっていう風に考えました。

 

図表(理解補助:第8・第9段階の要点整理)

 

段階 段階名(要旨) この講義での対応箇所
第8段階 新しい役割の暫定的試行 「発信をちゃんとする」方針を立て、調査・メディア連携・対話などで試行
第9段階 能力と自信の構築 資格取得(精神保健福祉士・社会福祉士)等を通じて自信を形成(名称独占の国家資格として制度的裏づけあり)