これから講義録で紹介する「たばこと塩の博物館」については2022年以前の情報であることに留意されたい。
ーーーー講義録始めーーーー
第一回では、博物館は、そのライフステージや日々の生活の中で博物館とどう関わり、博物館をどう利用するかを検討しました。博物館利用者の教育は博物館内にとどまらず展開されます。今回は、博物館が提供する教育資源にはどのようなものがあり、それらが博物館利用者や博物館の機能とどう関わっているかを検討しましょう。
今回はまず、たばこと塩の博物館が提供する教育資源の概要について、同館の学芸員・青木 然さんにお話を伺います。
「よろしくお願いいたします。まず、たばこと塩の博物館の概要についてお話しいただけますか。」
たばこと塩の博物館は1978(昭和53)年11月に渋谷(公園通り)に開館し、2015年4月25日に東京スカイツリーにほど近い墨田区横川に移転・リニューアルオープンしました。
日本をはじめ古今東西の喫煙文化に関する資料と、塩にまつわる多様な資料を収集し、所蔵資料は約4万点に迫る規模とされています。
コレクションの紹介方法
当館の常設展示室は、コレクション陳列型というよりもストーリー型の展示でして、館蔵品を網羅的に紹介するというよりは、館蔵品を用いながらも人間とたばこ・塩との関わりを紹介することに重点を置いています。
まず、たばこに関する常設展示「たばこの歴史と文化」では、入口の古代マヤ文明の都市遺跡(メキシコ・パレンケ遺跡「十字の神殿」)の再現展示に始まり、パイプやたばこ入れなどの技術工芸品でもある喫煙具の実物資料を用いて、世界各地の喫煙文化を紹介しています。
また日本に関しては、歌舞伎や絵画などに登場する喫煙場面や実物の喫煙具による江戸時代のたばこ文化、近代以降のたばこパッケージやポスターなどを時代の流れの中で展示しています。
