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古物営業法の目的と許可制をわかりやすく解説:公安委員会の許可・無許可営業の罰則まで #放送大学講義録(行政法第1回その4)

ーーーー講義録始めーーーー

 

古物営業法の目的と許可制の仕組み


さて、じゃあ次の②の方ですけれども、古物営業をなぜ制限する必要性があるのかという点です。これは法律上の目的がありますね。この古物営業法に限らない話なんですけれども、いろんな法律の第1条に目的があるんですね。まあ、ない場合もあるんですけれども、大体目的規定というのがありまして、この法律は何のための法律なんですか、ということが宣言されています。
古物営業法第1条を見ると、目的が書いてありますね。盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図り、もって窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする、ということが目的であるということになっていますね。 犯罪を防ぐ、盗まれた品物を戻す、という目的だと思うんですが、盗品が古物店で自由に売買されると、そういった事態になると、盗んだ者はお金を得ることができますね。盗むことによって犯罪の収益がどんどん増えてしまうということになりますね。犯罪をすればするほどお金が稼げるということになって、犯罪が助長されてしまう、ということですね。
今でも問題になるんですが、未成年者の犯罪で時々大きな問題になるのは、本屋で万引きした漫画を古書店に売る、そして換金する、そしてお金を得る、犯罪の収益としてお金を稼ぐ、ということが起き得るんですよね。
そこで、古物店で盗品等が売買されにくい仕組みが必要になって、犯罪をしにくくする、窃盗をしにくくする、そういうことがこの法律の目的だということになりますね。
さっき刑法の窃盗罪の話が出てきましたけれども、これは盗んだ人を直接的に罰するということで防ぐということなんですけれども、古物営業法のポイントは、その盗品等による収益化、お金に変えるということですけれども、盗品等による収益化を防ぐことで間接的に窃盗その他の犯罪を防ぐということですね。
もう一つの目的として、被害の迅速な回復というのがあります。ここは行政法の考え方として重要で、古物営業法が掲げる目的に照らして、制度の解釈や運用が組み立てられる、ということに注意してください。つまり、目的と無関係に何でもできる、という話ではなく、目的に即した形で制度が理解され、運用されるべきだ、ということですね。 ちょっとすぐにはわからないかもしれませんが、この点は重要な論点でして、この印刷教材の第5章でまた学んでいきます。


最後に③の手段についてですね。こういった犯罪を防ぐためにどういう方法をとっているのかということですね。
まず1つ目は許可制の仕組みです。許可制という専門用語なのですけれども、行政法の重要な仕組みの1つでして、この古物営業法にも、許可という仕組みが出てきますね。どういうことになるのかというと、古物商や古物市場主に当たる営業を始めたいという場合には、都道府県公安委員会の許可を受けなければならない、という仕組みになっています。 行政側がチェックをして、この人が古物営業を始めても問題ない人物であるということが確認できれば許可を与える、ということになりますね。そして初めて適法に営業を開始することができる、ということですね。
一旦、許可を受けない限り適法に営業できない形になっているんだけれども、ちゃんとした条件を満たせば許可が与えられて、営業を開始することができる、というのがポイントなんですよね。
じゃあ逆に、許可を得ないで営業を開始すると、無許可営業ということですね。許可なく営業する、無許可営業ということ、これは法律違反で違法である、そして罰則の対象になり得る、ということになります。 場合によっては捜査の対象になり、立件される可能性もありますから、軽く見てはいけない、ということですね。
リサイクルショップなどを開くという方もいるかもしれませんが、いろんな経済活動を始める際、きちんと確認しておかないと、実は許可が必要だった、ということがあり得ます。さらに、許可を受けて営業している古物商等が法令に違反した場合には、罰則だけではなく、行政処分として指示や営業停止命令、許可の取消しといった措置が用意されている点も重要です。 気をつけないといけないということですね。
許可制の仕組みは、営業が始まる前にその適格性を審査することで、取引の安全や公の利益が損なわれることを未然に防ぐ、という発想に立っています。 これはいろんな分野で採用されていますので、覚えておいてほしいと思います。