ーーーー講義録始めーーーー
豚肉生食禁止の新聞記事から学ぶ規制強化
行政法の第2回の授業では、規制行政の仕組みについて学んでいきたいと思います。前回と同じように、まず新聞記事を見て、その内容について解説していくというスタイルでやっていきたいと思います。
今回の記事は、豚肉の生食―加熱しないで生で食べるということが禁止されたという記事になります。ここでは規制強化ということですが、今まで許容されていたものが新たに禁止されたということになります。
記事を読んでみると、この豚肉の生肉料理というのは、E型肝炎ですね、食中毒のリスクが高いとして厚生労働省が規制を検討していて、そして新たな規格基準が設定されたという内容になっています。
具体的には、新規基準―守るべきルールが定められているのですが、食品衛生法に基づく規格基準の改正により、平成27年6月12日から、豚の食肉(内臓を含む)を生食用として販売・提供することが禁止された、という整理になります。リスクとしてはE型肝炎ウイルスや食中毒菌等による重い健康被害が挙げられ、規制の理由づけがされています。
また、豚の食肉を使用して食品を製造、加工又は調理して直接消費者に提供する場合には、肉の中心部の温度を63度で30分以上加熱するか、それと同等以上の殺菌効果がある方法で加熱殺菌することが求められる、という点がポイントになります。ここで、同等以上の方法の例として、75度で1分以上といった示し方がされており、このように加熱処理の水準まで示されているのが、規制の具体性として注目すべき点になるわけです。
さらに、こういった規格基準に反すると、行政処分を受けたり、場合によっては**罰則(刑事罰)**の対象になったりする可能性もある、ということも押さえておきましょう。
| 要素 | この事例(豚の食肉の生食規制)で確認できる点 |
|---|---|
| 規制目的(公益) |
E型肝炎・食中毒等の健康被害防止 |
| 規制対象 | 豚の食肉(内臓含む)を「生食用」として販売・提供 |
| 規制手段 | 規格基準(加熱要件の具体化)+生食用販売・提供の禁止 |
| 行政作用の特徴 | 技術的基準(中心温度・時間)を示して遵守を求める |
| 違反時の効果 | 行政処分・罰則の対象となり得る |
