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女性はなぜ非正規が多いのか:雇用形態の男女差(2019年データ)と労働力率の基本 #放送大学講義録(人的資源管理第11回その2)

ーーーー講義録始めーーーー

 

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 第2回 女性雇用者の特徴①:雇用形態と非正規雇用の現状
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現代社会における女性労働者は、男性労働者とは異なる特徴があります。もともと日本の女性は家族を支えてたくましく働いてきたと言えるでしょう。しかし、戦後の経済構造変化に伴い、農業・自営業に従事する人々が減少し、代わって大半が雇用者(勤め人)という社会に変化しました。ところが、雇用社会と女性の相性は良くなく、制度が整っていなかったこともあり、企業における女性の活躍は現代の課題といえます。

◆ 雇用形態における男女差

今回の講義では、総務省の統計区分に従って「雇用者」という用語を使いますが、雇われて働いているものを意味します。

役員を除く雇用者の雇用形態を男女別にみると、以下のような明確な違いが観察されます(2019年平均データ)。なお、ここでいう雇用形態の区分は、統計上、勤め先での「呼称」によって把握されるものです。

【表1】雇用形態別 男女比較(2019年、役員を除く雇用者)
 ┌──────────────────────────┬──────────┬──────────┐
 │ 雇用形態          │ 女性雇用者 │ 男性雇用者 │
 ├──────────────────────────┼──────────┼──────────┤
 │ 正規の職員・従業員     │  44%   │  77%   │
 │ 非正規の職員・従業員    │  56%   │  23%   │
 │ (パート・アルバイト等)   │       │       │
 └──────────────────────────┴──────────┴──────────┘
 出所:総務省「労働力調査(詳細集計)」2019年平均(役員を除く雇用者)

女性雇用者の中では、正規の職員・従業員は44%と過半数を割っています。対照的に男性の場合、正規の職員・従業員が77%で大半を占めています。このように、雇用形態は性別によって明らかな違いが見られます。

◆ なぜ女性は非正規に多いのか

以上のように、労働市場において男女の差は明確に観察されますが、その背景には女性のライフステージの特徴が関係しています。結婚・出産等により家庭責任が増す時期には、就業の継続が難しくなったり、働き方が制約されたりすることがあり、その結果として雇用形態の選択に影響が出ると説明されてきました。

この点は、かつて女性の労働力率が年齢階級別にM字型の形状を示すこと(いわゆる「M字カーブ」)と結び付けて語られてきた重要な論点です。もっとも、M字の形状は時代とともに変化しており、単純に特定の年齢層だけを断定するのではなく、データを見ながら整理する必要があります。次回は、このことを視覚的に示す「M字カーブ」について詳しく見ていきます。

◆ 用語解説:労働力率とは

労働力率とは、15歳以上人口に占める労働力人口(就業者と完全失業者の合計)の割合です。就業者とは、調査週間に仕事をした「従業者」と、仕事を持ちながら調査週間中に少しも仕事をしなかった「休業者」を合わせたものです。従業者とは、調査週間中に収入を伴う仕事を1時間以上した人のことであり、パート・アルバイト等の短時間労働者を含みます。

 

図表1:2019年平均(役員を除く雇用者)—男女別の実数と比率(概算)
(講義中の割合がどの実数から来ているかを見える化)

 

区分 男性 女性
正規の職員・従業員(万人) 2334 1160
非正規の職員・従業員(万人) 691 1475
合計(万人) 3025 2635
正規比率(概算) 約77% 約44%
非正規比率(概算) 約23% 約56%