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情報活用と社会――産業革命以降の技術・人口・エネルギーの大変動 #放送大学講義録(経営情報学入門第13回その1)

ーーーー講義録始めーーーー

 

問題意識——250年のスパイラルと産業革命の概観
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本日は「情報活用と社会」ということでお話をさせていただきます。まずここでの問題意識ですが、産業革命以来、およそ250年の間に何が生じたのか。この半世紀で何が生じたのか。この四半世紀で何が生じたのか。次の四半世紀で何が生じるのか。次の半世紀で何が生じるのか。次の250年で何が生じるのか。これらについて考えてもらいたいというのが、この講義の目的です。産業革命は一般に18世紀後半のイギリスに始まり、1760年代から1830年代ごろにかけて本格化したと説明されることが多いため、ここでいう「250年」は概数として理解してください。

インターネット革命で生じたグローバルな大変動は、機能的な資源配分だけではなく、我々の世界の意味的な相互作用も、その根底から変化させました。その変化はまだ途上です。我々の社会は激しい変化にさらされています。この我々の社会そのものの、社会・技術・産業・経済・文化複合体の変化をいかに読み解いていくか。これから激烈な変化に我々の社会はまだまだ見舞われ続けます。そのことを理解して読み解くことがいかに大切か。そのためにまず産業革命の話から始めましょう。

産業革命以降、我々の社会では大きな変動が立て続けに生じてきました。そこでは、技術と社会がスパイラル状に変化してきたのです。その変化は、イギリスに先行して始まった工業化ののち、日本でも明治維新以降に本格的な近代産業化として進展しました。1868年の明治維新後、日本では制度改革、殖産興業政策、官営模範工場の整備、のちの民間企業の成長などを通じて工業化が進みました。

 

図表1(PNG)

この図は、世界人口の主要マイルストーン(1900年16億、1950年25億、1987年50億、2010年70億、2022年80億)と、Our World in Data の世界一次エネルギー系列を用いて、人口・一人当たりエネルギー・総エネルギー消費を1900年=100で指数化したものです。人口マイルストーンは OWID の人口成長解説に基づき、エネルギー系列は OWID の “Global primary energy consumption by source” の世界行を各年で合計して作成しました。

この図は、産業革命後の世界の人口と、一人当たりのエネルギーおよび総エネルギーの消費の変化を見たものです。総エネルギーがものすごい勢いで伸びています。人口もものすごい勢いで伸びています。さらに、長期的に見れば一人当たりのエネルギー消費も増加してきました。世界人口は1800年ごろ約10億人でしたが、現在では80億人を超えています。こうした人口増加とエネルギー利用の拡大が重なり合って、近代以降の社会はかつてない規模の変化を経験してきたのです。

産業構造の変動は、企業組織を発展させ、そこで働く人々の生活を伝統社会のものと比べて大きく変化させてきたのです。技術がもたらす新しい産業や働き方、それに対応する組織や制度の発達、その結果としての生活世界の大規模な変容がスパイラル状に生じていきました。産業革命後の世界では、人口もエネルギーも凄まじい勢いで増大してきたのです。産業革命後の世界では、技術と社会の変化がスパイラル状に次々と新しい現実を構築してきたのです。