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地球温暖化はどう起こるのか:CO₂増加、異常気象、グリーンランド氷床融解までわかりやすく解説 #放送大学講義録(持続可能な社会と生活第3回その2)

ーーーー講義録始めーーーー

 

地球温暖化のメカニズムと気候変動の深刻な影響
——大気中のCO₂増加から異常気象・グリーンランドの氷床融解まで

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では、そもそもこうした気候変動をもたらす地球温暖化は、一体どういうメカニズムで起こっているのでしょうか。

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【温室効果のメカニズム】
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太陽から地球に届くエネルギーの多くは、可視光線などの形で大気を通過し、地表面に吸収されます。そして、温められた地表面は赤外線、つまり熱のエネルギーとして再び外へ放射します。この赤外線の一部を、温室効果ガスと呼ばれる二酸化炭素(CO₂)、メタン(CH₄)、一酸化二窒素(N₂O)、フロン類などが吸収し、あらゆる方向へ再放射します。その結果、地表や下層大気が温められます。これが温室効果です。

生成された画像:温室効果のメカニズム図

 

仮に温室効果ガスがほとんどなければ、地球から放射される熱の多くは宇宙へ逃げてしまうため、地球の平均気温は約−18°Cから−19°Cくらいになってしまうと考えられています。つまり、放射熱の一部を吸収して再放射してくれる適度な濃度の温室効果ガスは、人類を含む多くの生命にとって必要なものなのです。

しかし18世紀後半の産業革命以降、化石燃料の利用や土地利用の変化など、人間の活動による温室効果ガスの排出が大幅に増えました。CO₂の濃度は、産業革命前の約280ppmから2020年には413.2ppmとなり、約50%増加しました。さらに近年も増加は続いています。濃度が高くなってしまった結果、地球を包む毛布が厚くなったように、従来よりも多くの熱が地表付近にとどまりやすくなっているのです。

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【深刻化する気候変動の影響】
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こうして進む地球温暖化は、海面上昇、豪雨・干ばつなどの極端な気象現象、熱波、生態系へのダメージなど、私たちの社会や人々の暮らしに様々な深刻な影響をもたらします。

実際に、気候変動はすでに世界各地の極端な気象現象に影響を及ぼしていると評価されています。例えば、非常に強い雨が降る頻度や強度が増す地域があり、短時間に大量の雨が降ることで水害のリスクが高まっています。日本を含め、先進国・途上国を問わず、これまでの防災の想定を超えるような豪雨や洪水によって、多くの人々が被災する事例が相次いでいます。また一方では、高温や乾燥が重なることで、オーストラリア、米国、地中海沿岸、シベリアなど、世界各地で大規模な森林火災のリスクが高まっています。

考えにくいことかもしれませんが、シベリアでも近年、大規模な森林火災が目立っています。2021年の夏にシベリアのサハ共和国、いわゆるヤクーチアで起きた森林火災では、NASA Earth Observatoryの資料によると約840万ヘクタールが焼失しました。これは約84,000平方キロメートルにあたり、日本の国土面積の約5分の1強に相当する、非常に大きな面積です。なお、2021年のロシア全体の森林火災被害として約1,800万ヘクタール以上が焼失したとする報告もあり、この場合は日本の国土の約半分に近い規模になります。

シベリアでも落雷などによる森林火災は以前から起きていました。しかし、近年は高温、乾燥、強風、積雪や土壌水分の変化などが重なり、火災が大規模化しやすい条件が生じています。2021年のサハ共和国では、異常な高温と乾燥が火災の拡大を後押しし、広範囲に煙が広がりました。火災の原因には自然要因や人為的要因が絡みますが、温暖化によって火災が起きやすく、広がりやすい環境が強まっている点は見逃せません。

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【グリーンランドの氷床融解が示す危機】
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グリーンランドの氷床面積は約160万〜170万平方キロメートルで、日本の約4倍から4.5倍の規模にあたり、グリーンランドの約80%を覆っています。氷の厚さは場所によって大きく異なりますが、最大では3,000メートルを超える厚さに達します。これは海に浮かぶ海氷ではなく、陸の上に積み上がった氷です。そのため、もし仮にすべてが溶けて海へ流れ込むと、世界平均の海面を約7メートル、より正確には約7.4メートル押し上げるだけの水量を含んでいるとされています。

今、この氷床の質量は長期的に減少しています。研究によって比較する期間や対象は異なりますが、グリーンランドの氷床は1980年代や1990年代と比べて、現在ははるかに速いペースで失われていると報告されています。例えば、1980年代と比べて約6倍の速さで失われているという研究や、1990年代と比べてグリーンランドと南極の氷床全体が約6倍の速さで失われているという報告があります。ここで大切なのは、細かな倍率の違いそのものよりも、氷床の減少が長期的に加速しているという点です。

量が非常に多いため、グリーンランドの氷床がすべて溶けるとしても、通常は数百年から千年以上の長い時間がかかると考えられています。したがって、「すぐに7メートル海面が上がる」という話ではありません。しかし、温暖化が進めば、今世紀中の海面上昇を大きく押し上げ、沿岸部の都市、低地、島しょ地域に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。以上のように、温暖化とその影響は、もはや遠い未来の抽象的な問題ではありません。海面上昇、豪雨、熱波、森林火災、氷床融解といった形で、今ここで起きている現実となっているのです。