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🎓現代教育の変革!思考力とメディアリテラシー🌐 生徒指導と教育相談第7回(その1) #放送大学講義録

「ネットの罠と闇」という形容はその通りだと思う。

 

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マナと闇、メディアリテラシー、学び、そして生徒指導はいずれも現代的な課題を表しています。この事業の構成や組み立てについて、まずは資料1をご覧いただきたいです。情報社会から知識基盤社会への進展において、生徒指導の方法はカリキュラムや学習経験の視点から再評価する必要があります。社会の様々な領域で、情報中心から知識を基盤としたネットワーク社会への変革が見受けられます。ここでの「知識」とは、従来のものとは異なり、AI時代に人間に求められるより高度なものを指しています。詳細については資料2の説明を参照してください。

知識基盤社会における生徒指導の課題は多様であり複雑ですが、デジタルデバイスの進化を考慮し、生徒たちがネット上の罠や闇のリスクに立ち向かえる思考力を養成することが大きな課題として挙げられます。資料2においても、知識基盤社会での教育方法や教育内容についての取り組みが示されています。思考力や判断力の養成は、ネット上の様々な問題に対応する上で非常に重要です。この「ネット上の罠と闇」という表現は挑発的に聞こえるかもしれませんが、それは子供たちがこのリスクの実際の深刻さを理解し、それを乗り越える力を身につけるために使用しています。

生徒指導の方法を再評価する際、学習経験としての位置づけやカリキュラム全体の視点が重要です。資料3を参照することで、教育課程、カリキュラム、そして生徒指導の関係性を更に理解することができます。思考力は、学校の教育課程だけでなく、生徒指導や学校生活全体を通じて養われるものであり、成人してからも持続的に育成していくものだと考えられます。第7回のセッションでは、生徒指導とカリキュラムの関連性を、生涯学習の視点から詳しく見ていきます。子供たちを自立へ導くことが生徒指導の役割であり、生涯を通じて学び続ける基盤を培うことが、幼児教育や義務教育の大きな目標として位置づけられています。この目標は学校教育法にも記されていますが、多くの人々にはあまり知られていません。

生徒指導や教育相談を行う際には、生涯学習という視点を忘れずに、子供たちが思考力と学ぶ力を同時に身につけられるよう、カリキュラムや学習経験を充実させることが求められます。新型コロナウイルスの感染予防のような大きな危機にも、学び続ける力が求められています。このような状況下でも、学校のカリキュラムをより良くすることが求められ、知識基盤社会における生徒指導も、カリキュラムを改善する試みの一環として捉えることができます。

 
 
 
 

地域力で犯罪を防ぐ!#ソーシャルキャピタル 生活リスクマネジメント第10回(その7) #放送大学講義録

地域での連帯感で人は強くなれるのだろう。

 

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次に、地域における対処について考えます。生活者の犯罪からの安全と安心には地域が大きな役割を果たしています。地域住民による犯罪に対する取り組みは拡大しており、自主防災活動を行う地域住民ボランティア団体がここ数年で顕著に増加しています。2013年のデータによると、全国で約4万7000団体が存在し、これは2003年と比べて約15倍の増加です。活動の中でも、徒歩による防犯パトロールは特に盛んで、防犯ボランティア団体の約8割が実施しています。さらに、通学路での子供の保護や誘導を行う団体が75%、通学路以外での子供の保護や危険箇所点検を行う団体が約4割存在します。

地域における犯罪対処の取り組みは、多くの効果が期待できます。地域のメンバー同士が互いを知り、日常的に交流がある場所は、監視性が高まり、犯罪を起こしにくい環境となります。さらに、地域共同活動を行うことは、犯罪の防止に繋がります。複数の生活者が共同して取り組むことは、犯罪リスクを小さくする効果があり、個人の不安の解消にも寄与します。地域は自分たちの暮らしの中心であり、犯罪対処の資源が存在すると認識することは、不安を和らげます。また、ソーシャルキャピタル、すなわち人々の協力関係や信頼関係が犯罪抑制効果を持つことが、多くの研究で報告されています。

地域における自己効力感や集団的効力感の高さも、犯罪抑止と密接に関連しています。自己効力感は、自分が地域の課題解決に貢献できるとの信念を指し、集団的効力感は、地域住民全体として課題に取り組むことができるとの共通の信念を指します。これらの信念は、地域活動を積み重ねることで形成されると考えられ、さらに地域の社会的結束を強化する役割があります。以上が、今日のテーマである「犯罪とリスク」に関する内容でした。授業はこれで終了します。

 
 
 
 

🛡子供の安全を守る犯罪防止策🚸 生活リスクマネジメント第10回(その6) #放送大学講義録

子供を地域社会で育てるという意識が必要なのだろう。

 

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生活者レベルや地域における犯罪への対処方法について述べていきたいと思います。各生活者レベルでは、犯罪に対するリスクマネジメントが行われます。その方法は、第7回の授業で述べたように、リスクマネジメントプロセスに従ったものです。このプロセスでは、リスクの分析として、防犯チェックリストを活用して犯罪被害の発生のしやすさやその結果の深刻度を推定します。特に、小さい子供がいる家庭や高齢者、一人暮らしの女性などの場合、他の家庭とは異なるリスクがあり、その頻度や強度も違ってくるでしょう。それゆえ、自分や家族にとってのリスクの頻度と強度を正確に把握することが大切です。

リスクの分析の後、リスクの評価を行い、リスクの深刻度や対処の優先順位を定めます。その後、リスクの対処方法の選択と実行のステップに進むのです。第7回の授業でも触れたように、リスク対処には事前の管理と事後の管理が必要です。犯罪というリスクに関して、盗難保険を通じたリスク転送や、万が一のための貯蓄というリスク保有は考慮されますが、犯罪というリスクに対しては事前管理が最も重要です。具体的には、事前にリスクを低減させるためのリスクコントロールが求められます。犯罪の被害を避けるために、リスクの防止や軽減、分散にコストをかける取り組みが必要です。

子供に対する犯罪への対処に焦点を当ててみると、子供を守るためには犯罪者、ターゲット、環境の3つの要素を考慮する必要があります。環境に関しては、子供にとって危険となる状況を変えることが重要です。例として、外からの視界が悪い公園や人通りの少ない道、管理が不十分な公園や住宅地、子供が一人で歩かなければならない状況などが挙げられます。これらの環境を変えるために、防犯カメラの設置や、見通しの良い公園の整備、通学路の確保などの物理的な対策が必要です。さらに、社会的な対策として、子供が一人でいる状況を避ける、友達と一緒に登下校する、家族に迎えに来てもらう、危険な場所への近づきを避けるなどの取り組みが考えられます。

最後に、ターゲットとしての子供を守るための対策として、防犯教育が不可欠です。この教育は学校や家庭、地域で実施されるべきです。

地域の絆が犯罪リスクを減少!?🔍 生活リスクマネジメント第10回(その5) #放送大学講義録

被害者サイドのリスクの低減は必要だと思う。

 

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犯罪不安に対する5つ目の要因は、近隣を含む地域社会における人間関係です。この人間関係のあり方が犯罪不安に大きな影響を及ぼしています。内閣府の治安に関する特別世論調査で、治安の悪化を感じている人が8割を超えるとの結果が出ています。この調査では、悪化の原因についても問われ、最も多くの人々が「地域社会の連帯意識の希薄化」を指摘しています。近隣や地域のつながりがない場合、人々は自らが犯罪への対処を単独で行わなければならない状況に直面します。このような状況は、リスクに対する制御が不可能であるとの認識を増幅させます。都会ではこの傾向が特に顕著です。逆に、地域の対人ネットワークが強ければ、防犯の対象資源が増大し、犯罪不安は減少します。この地域のつながりと犯罪不安の関係については、授業の最後に詳しく取り上げる予定です。

これまで、犯罪の様相やその認識について見てきましたが、次に犯罪の発生しやすい条件とその対処について考えていきます。犯罪が発生しやすい条件を理解することは、犯罪リスクの効果的な対処の大前提です。多くの学問分野で、犯罪の発生しやすい条件に関する研究が進められています。犯罪を構成する要素には、犯罪者、ターゲット、犯罪が行われる環境の3つがあります。これらの要素が組み合わさることで犯罪が発生します。それぞれの要素において、犯罪が発生しやすい条件やその防止策についての研究が行われています。

犯罪者に関しては、心理学や犯罪学が主にアプローチしており、性格や犯行動機などを研究しています。ターゲット、特に犯罪の弱者とされる子供や高齢者、女性に関しては、被害者となるリスクを低減する条件作りの研究が進められています。環境に関しては、工学や環境犯罪学、情報学などが研究を進めており、犯罪を防ぐための環境設計に関する知見が集められています。

環境に対する対策について考えると、犯罪者が犯罪を遂行しづらい状態を作ることが重要です。具体的には、犯罪遂行のコストが高い状態、逮捕リスクが高い状態、犯罪による得益が少ない状態、犯罪行為に対する罪悪感を持ちやすい状態の4つを作り出すことが求められます。これらの状態を実現するための対策として、物理的・社会的な手段を用い、それには個人、家庭、地域、専門機関の連携が不可欠です。犯罪者、ターゲット、環境の3つの要素に対する適切な対策を施すことで、犯罪の発生リスクを大きく低減することが期待されます。

大都市の犯罪不安🌆: メディアの真実📺 生活リスクマネジメント第10回(その4) #放送大学講義録

マスメディアに毒される現代人である。

 

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では、犯罪不安に対する次の要因について話します。2つ目の要因は都市の規模です。都市の規模別に犯罪不安の程度を調査すると、大都市に住む人々は犯罪不安の程度が高いことが分かります。この原因として、大都市では小都市や市町村に比べて匿名性が高く、また生活時間帯が深夜に及ぶことや繁華街が近くに存在するため、犯罪に巻き込まれる機会が多いと感じることが影響していると考えられます。

次に、3つ目の要因である犯罪被害について話します。犯罪被害経験の有無と犯罪不安の程度との間には関連性があります。これは多くの研究で明らかにされています。過去に犯罪被害に遭った人は犯罪不安の程度も高く、直接の被害だけでなく、家族や知人が犯罪被害に遭う「代理被害」や犯罪被害の情報を聞く「間接被害」でも犯罪不安が高まることがあります。

特に、マスメディアの犯罪報道と人々の犯罪不安の関係には注意が必要です。実際の犯罪統計とマスメディアの犯罪報道は必ずしも一致しないため、犯罪の認識が歪められることがあります。マスメディアはセンセーショナルな犯罪や暴力事件を報道しやすく、これが一般の人々の犯罪認識に影響を及ぼすことが報告されています。しかし、犯罪不安への影響はメディアの種類や視聴時間、視聴者の属性などによって異なり、詳細な実態や要因の解明が今後求められるところです。

次に、犯罪不安に対する4つ目の要因である「秩序の乱れの認知」について話します。人々が秩序が乱れていると感じると、犯罪不安が増す傾向にあります。例えば、落書きやゴミのポイ捨て、違法注射などの秩序や風紀の乱れを目にすると、その場所における社会的統制が欠けていると感じ、犯罪不安が高まります。

この要因に関連して「割れ窓理論」について触れます。割れ窓理論とは、小さな秩序の乱れが大きな犯罪を誘発するという理論です。具体的には、壊れた窓ガラスを放置すると、その周辺の環境が悪化し犯罪が増えるとされています。この理論によれば、物理的な乱れや社会的な乱れの2つの要因が影響を及ぼします。物理的な乱れには、建物や公共物の破壊、放置された乗り物などがあり、社会的な乱れには、酔っ払いや夜間の若者の集まりなどが該当します。この理論は、こうした小さな乱れを取り締まることで、大きな犯罪を抑止する考え方を持っています。

 

犯罪不安の背景🔍5つの影響要因 生活リスクマネジメント第10回(その3) #放送大学講義録

「デモグラフィック要因」というのは聞きなれないが重要なワードなのだろう。

 

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この期間に治安は本当に悪化したのか。つまり、客観リスクは実際に大きくなったのか。ここで、客観リスクの推移を確認してみましょう。印刷教材では図10にその推移が示されています。ご覧ください。

この図によると、2002年から2010年にかけて、刑法犯認知件数は順調に減少しています。また、検挙率や犯罪被害者数に関しても、状況は向上しています。しかし、客観的な数値と市民の主観的な認識との間には、大きな隔たりがあることがわかります。

では、なぜ多くの人々が犯罪への不安を感じるのか。次に、犯罪不安の要因及びその背景について考察します。

犯罪不安に影響する要因として、以下の5つが指摘されています:デモグラフィック要因、都市規模犯罪被害、秩序、団体の認知、そして近隣での人間関係。デモグラフィック要因として、性別、年齢、教育、収入、同居家族などが犯罪不安に影響を及ぼすと考えられています。一般的に、自分自身の脆弱性や犯罪対象としての魅力が高いと感じると、犯罪への不安が増大するとされます。特に、女性の犯罪不安は男性よりも高いと、多くの研究で示されています。私が2012年に実施した調査でも、同じ傾向が確認されました。

犯罪不安についての質問「日々の生活で犯罪に巻き込まれることにどれくらい不安ですか」という質問に、女性は男性よりも統計的に有意に不安を感じると回答する傾向がありました。また、被害の広さの認知に関しても、女性の感じる程度は高い。この傾向は、女性の身体的な脆弱性や、特定の犯罪(性犯罪やひったくりなど)の存在に起因していると考えられます。

その他のデモグラフィック要因として、教育や収入の高さは犯罪不安の低下に関連しているとされます。高い社会経済的地位の人々は、犯罪被害を防ぐための手段や資源を持っているため、犯罪不安が低いと考えられます。また、家族構成も犯罪不安に影響します。自分よりも家族が犯罪被害に遭うことを不安に感じる人が多く、特に同居している家族に小学生以下の子供がいる場合、その不安はさらに大きくなります。

 
 
 
 

🔍2012年の日本治安感 - 犯罪不安とは? 生活リスクマネジメント第10回(その2) #放送大学講義録

まあ治安悪化を感じてもらえると警備業界は潤う。

 

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ここからは、人々の主観的な認識の側面について考察します。犯罪に対する一般の人々の認識は、犯罪研究において「犯罪不安」と「犯罪リスク認知」という二つのカテゴリに大別されています。犯罪不安は、犯罪被害に対する恐れや心配、懸念などの感情的側面を指し、一方、犯罪リスク認知は、被害に巻き込まれる確率や被害の程度の主観的な見積もり、つまり認知的側面として捉えられます。これらは、いずれも犯罪に対する人間の反応として捉えられており、犯罪不安と犯罪リスク認知の間には相関があるとされています。

具体的には、犯罪不安は、日常生活で犯罪被害に遭う心配の程度と、被害に遭う可能性や、実際に被害を受けた時の被害の大きさ、つまり主観的確率と主観的強度を掛け合わせることで説明されます。また、犯罪不安に関連する要素として、自分の対処能力の自己評価も考慮されています。これは、自分自身で犯罪をどれほど回避できるか、また、その被害をどれくらい小さくできるかという、犯罪に対する制御可能性についての認識を指します。

さて、実際の生活者の犯罪に対する認識を見てみると、内閣府が2012年7月に実施した治安に関する特別世論調査によると、調査対象は全国20歳以上の日本国籍を有する3000人で、有効回収数は1956人でした。この中に「現在の日本が治安が良く、安全で、安心して暮らせる国だと思いますか」という質問があり、約4割が否定的、約6割が肯定的な回答をしました。2006年の同じ調査では、否定的な回答がおよそ5割であり、2012年には治安に対する不安が幾分緩和された可能性があります。しかしながら、約4割の人々が日本の治安を良くないと感じている点は注意すべきである。

また、2012年の治安に関する特別世論調査には「ここ10年間で日本の治安は良くなったと思いますか、それとも悪くなったと思いますか」という質問もあり、8割以上の人々が治安が悪くなったと感じていることが示されました。2006年の調査結果と比較して、この数値はほとんど変わっていません。私が2012年に実施した調査でも、生活者の犯罪不安が高いことや、犯罪の起こりやすさや程度に関する高い認知が示されました。

一方、犯罪に対する制御可能性の認知は低いとの結果も得られました。そして、犯罪に巻き込まれることに対する不安の程度や、自分が犯罪被害を受ける可能性との間には、それぞれの相関が認められました。

最後に、上述の2012年の調査で、ここ10年間の治安の変化を問う質問について、その10年前は2002年との比較ということになります。