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質の高い研究を目指すための諸アプローチ(ヘルスリサーチの方法論第11回)

研究方法の知識は書籍を読むにも必要。エビデンスなしにとんでもない内容を書く著者も結構見かけるので。

 

井上洋士、板垣貴志。様々なApproach。具体的には最近注目されている量的研究質的研究の組み合わせ、ウェブ調査の実施。
量的研究と質的研究の組み合わせ。結合統合させる、方法論トライアンギュレーション。マルチメソッドなどとも。新しい方法論は90年代から。50年代に一時的に、暫く時間が経つ。量的研究の限界性が。80年代には質的研究が広く認知される。それぞれの支持者の間で論争や対立が。90年代には両者を組み合わせてのやり方が。質的研究の進歩も後押し。その後、保健医療健康福祉の分野においても知られるように。量的研究では集団として人々を捉え分布などを。実証的に。質的研究では個々の人に焦点を。新しい事実やカテゴリーに。組み合わせることでより正確な把握を。どう組み合わせるか?充分な書籍や解説書はない。典型的パターンを3つ。量的調査研究の次に質的調査研究。先に分析をした後で、解釈を明確にするために質的研究を。分析の結果、予想外の結果が出た場合には質的調査で解明できるかもしれない。概ね分かっている場合に。質的調査研究の後に量的調査研究を。分析の後に量的を。何を調査すべきなのか不明確、探索することが重要な研究課題の場合に。質的調査研究を通じて着眼するべき概念や理論を見出し一般化するために。現象がどれくらい広がっているかの分布を。質的調査研究を通じて測定指標がそうなりうるかを。質的調査研究と量的調査研究を並行して。同時期に実施して相互に補完補強し合う関係を。質的調査研究の弱点を量的調査研究が補う。逆も。どちらも重要で分析の結果を統合。相当なエネルギーを要する。このような組み合わせは物事の本質を総合的に迫るものだが、デメリットも。コストや時間がかかる。迅速性に乏しい。通常は1年ほどかかる。修士論文では時間切れになりがち。質的調査研究と量的調査研究の両方でのコストがかかるので多大な資金が。実施すべき材料が多様で量が多い。プロジェクトチームを組むところから。結果の統合に困難。計画書の段階で出来ていても、途上で修正する場合も論文化をどうするか検討するので時間がかかる。量的調査研究と質的調査研究を並行して。結果が異なると更に困難に。それでもなお、組み合わせるのは魅力的。
ウェブ調査。06年に住民基本台帳の閲覧が禁止。個人情報保護が。無作為抽出する調査が難しくなっている。インターネットの普及。郵送調査に変わるもの。学術研究にも利用。インターネット上にウェブサイトを立ち上げアクセスすると同意のページが有り、質問文や回答が。後日続きをすることも可能に。メリット。スティグマの症状を持つ人が協力することが出来る。スティグマの壁を乗り越えて。ヘルスリサーチで特に重要。調査機関を短く。調査費用が相対的に安い。データベースとしてダウンロードできるのでデータを処理できる。自由記載欄も気軽に入力しやすく成る。空白が減る。本音を。ウェブ調査実施のためのページ。自分で作成してSNSなどで公表。質問紙を作成するスキルが必要。専門業者を探して依頼。質問紙の作成が必要。有効回収率が分からない。アクセスした人と回答した人が正確に分からない。何人がエントリーしドロップ・アウトし回答完了した人はつかみやすい。充分な公表が必要。対象となる人を。URLの公開。紙ベースもチラシや冊子など。QRコードも有効。
システマティックレビュー。ヘルスリサーチは沢山のものが実施され公開。学術雑誌や書籍、学術集会での発表、報告書も。インターネット上に。パンフレットを。学位論文など公表はされていないものも。多様なものからどのような知識が得られるか、まとめる必要性が、過去に研究されたものを整理する。EBMの必要性。先行文献を検索して評価する。文献収集に際してコピー代などを除けば安価、熟知する機会になる。その一方、文献を全て集めるので時間やエネルギーをかける覚悟が必要。データとして収集した研究の質が悪いと得られる結果も悪くなる。検索基準を厳しく。バイアスの問題。統計的に有意差が出た研究のみが発表される。出版バイアス。偏りが結果に反映される。研究者の好みからもバイアスが。しかし否定するには至らない。重要性や意義は高い。システマティックレビューの研究プロセス。リサーチクエスチョンを定めてKEYWORDを。それを使って検索。どのデータベースで検索するかは極めて重要。再現性が求められる。誰が研究しても同じ結果に。論文に明確に。検索の前にはっきりした計画を。どういった研究を選択するかも事前に決定しておく。10年のプリズマ声明。この声明ではチェックリストを。増えすぎないために事前の登録が。検索の際には都合の良い研究のみを選ばず網羅的に検索。結果を示すには研究を全て明示。何故除外したのか理由を。集めた論文全てを読んで要約。統一的にデータ抽出を。研究デザインや対象、アウトカムを事前に定めておく。Excelで準備を。シートに各事項を抽出してデータベースそのものに。データ抽出は要約する作業が、通常は2人以上が各自で要約して持ち合わせ違いを確認し異なると議論を。
板垣貴志さん。アクセライト。保健医療福祉の調査研究のコンサルティング。ウェブ調査に関わることは?多数ある。ウェブ調査システム。陽性者向けのコンテンツを。研究者会議で議論に参加しデータ解析を。オリジナルの調査システム。ヘルスリサーチという観点からは、ウェブ調査の方がbetter?スティグマを伴う疾患障害を対象とする場合、本音が必要なものに有用。掘り下げる場合。時間も短くて済む。リサーチとサポートを同時に出来る。適切な方法。本音を引き出す。紙の調査と比べて事前に準備をするに当たり。基本的には同じ。ウェブ調査では若年者に偏りが。有効回答率を出すことが出来ない。何人に配布をして回答したかの比率が。調査票そのもの。印刷して配布。ウェブ上に。厳密に論理的を。適切でないと回答できない。情報漏えい対策も必要。専門の業者に頼む。自分で構築。大きく2つに。それぞれの利点と欠点。専門の業者。専門家からのアドバイス。個人情報など。集める手間も削減。費用がかかる。ヘルスリサーチが専門でない場合。個人である場合は反対になる。調査をする際には回答者数を増やす必要が。謙虚に教えを請う。関係者への訪問、足を運んで質を高める。調査を実施するときにはお願いする謙虚さを持つこと。ウェブ調査はどういう人が回答するか、偏りがある。その判断は?広報の仕方で偏る。どのような方法を?その記録を元にApproachを。アクセス解析。検索結果などから。比較可能な回答文を。公的機関の統計調査などを用いる。記録を取る、アクセス解析。色々なデータが取れる。ウェブ調査はなりすましや重複回答者が。どうしても可能性が。得られた解答を精査。極端に短い場合など。自由記載欄を。中に何があるか見ながら。気をつけたほうが良い点。調査機関の長さが影響を。一般には長いほうが。督促も。調査締め切り間際に。同じ人が解答する場合も。長いとサーバ管理の費用もかかる。充分に準備すれば紙の調査より有益。実社会ではアクセスしづらい人にも調査が可能。今後多く使われていくと予想されるが。ウェブ調査は手軽に。インターネットは生活の一部。偏りがなくなっている。しかしウェブ調査に特有の点も。あくまで道具の1つ。強力な道具。調査方法に着目を。
自身のテーマに合った方法を探すことも必要。

 

ヘルスリサーチの方法論〔改訂版〕: 研究実践のための基本ガイド (放送大学大学院教材)

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  • メディア: 単行本