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ノールズの成人学習理論と動機づけ(成人の発達と学習第7回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

司会者:次に、ノールズの第5の仮説は「成人は外発的な動機よりも、内発的に動機づけられる」というものです。

堀先生:はい。この点に関しては、「大人は自分が学ぶ必要があると感じたことだけを学ぶ」とよく言われます。成人の学習では、「学びたい」という気持ちが非常に重要です。より良い職業に就くとか、給料が上がるといった外発的な要因よりも、満足感の向上、自尊心の高まり、生活の質の向上、そして自己成長や発展につながるといった内発的な要因によって学習が動機づけられることが多いのです。

司会者:確かにその通りですね。次に、ノールズの第6の仮説は「成人は学ぶ理由を理解しておく必要がある」というものです。

堀先生:そうですね。この仮説は、ノールズが晩年に出したものですが、大人は自分のニーズに合った、目標達成に役立つものを学ぼうとします。しかし、そのためには、学び始める前に「なぜそれを学ぶ必要があるのか」を理解しておく必要があるのです。

学習者が学習を始める前に、その学習の必要性を理解していれば、学習に対する動機はより強くなります。そのため、成人教育者や学習支援者は、学習者が学習の必要性を理解できるようなサポートをすることが重要になります。

司会者:堀先生、ノールズの6つの仮説についてのご説明をありがとうございました。皆さん、この仮説は自分に当てはまっていたでしょうか?堀先生、仮説に関してさらにコメントがあればお願いします。

堀先生:そうですね。この仮説に一貫している考え方は、学習の「即時性」です。つまり、知識を得て後で応用するのではなく、その場で学んだことをすぐに活用できることが重要だということです。したがって、学習への方向付けは、知識を蓄積する教科中心のものから、課題を達成することを重視する問題解決型の学習へと変わっていくべきだと考えます。

司会者:なるほど、そうですね。