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言語習得論(2) -概念の獲得と語意学習-(新しい言語学第7回)

言語間で同じところと違うところを区別するのは面白そう。

 

松井智子。滝浦真人。言語習得論、概念の獲得と語意学習。単語の意味。意味と関わる。特に感情や態度の心の状態を伝える単語や概念。母親との関係。意味と言っても色々あるが、心の状態を対象にする意味。物の名前を覚える、動作を覚える。見て確認して覚える。心の状態は目に見える?それ自体は見えない。嬉しそうな顔を必ずするわけでもないしやせ我慢もある。それなのに子どもはいつの間にか学習する。どういうプロセスで?難しい。母親との対話の関係。
感情を表す言葉の習得。例を3つ。嬉しいな。すごく面白い。大嫌い。嬉しい面白い嫌いなどの感情を表す言葉は2歳から3歳までの間に。言葉の中で名詞や動詞は言葉の意味を学習する時に目で見て確認できる。実物を見たり写真を見たり。実際の行為を見たり実行したり。勘定そのものは殆ど目に見えない。涙も感情は色々。レパートリーはとても多い。どの国でも感情の言葉の習得を。感情を意識的に捉えて区別する。母親との会話の実例。嬉しいという言葉を嬉しく無さそうに。すごく面白い、面白く無さそうに。皮肉で?背後の気持ちが相反している。大嫌い。字面は大嫌いだが実はそうではなさそう。最初に聞いた感情の言葉は言葉の意味と感情の対応が分かりやすい。言葉の意味と声の感情が食い違う場合。何方かと言えば音声の方を。大人はずれている場合は音の方を。小さな子供は言葉の意味の方を。10歳前後から。相当遅い。感情の言葉について。もう少し長い大人の会話。日本でもミシュランガイドに掲載されるレストランが。星を1つでももらえると評価される。しかし値段も高級。高級レストランの一言。味が違う。嬉しそうか皮肉で期待はずれか。言葉で褒めていても感情が伴っていない場合。美味しいと期待して裏切られるのを表現して皮肉を。声の調子から実際には失望したと。大人であれば皮肉を言ったり言われたり。子どもには皮肉が難しい。正反対になっていることもあるので簡単ではない。10歳くらいになると感情の言葉の意味と声の調子が一致しない場合が。皮肉を理解するのもちょうど同じくらい。現実と人が思うことが別々であるのを理解するのも5歳位。相当に高級。言葉の意味よりも音声の調子を重視。皮肉の理解を。
態度を伝える言葉の獲得。勘定と態度は似ている?態度というのはものの認識の仕方と関連。長期に渡り一貫性がある。感情はよく分からないうちに顔に、コントロールが難しい。態度の場合は一貫したものが。知識に確信を持っているかいないかの確信度。子どもが比較的早く理解できる。最初に3つクイズを。林檎が何処にあるか。青い箱と赤い箱何方かに林檎が。2人に聞いてみる。言ったことを元に当てる。一人目。赤い箱に入っているのかな。二人目。青い箱に入っているよ。何方に?嘘をついているのでなければ青い箱。最初の人は自信なさげ。2人目は自信を持って言い切る。最後に「かな」。自信が無さそう。信じたくないと思ってしまう。最後に「だよ」。確信を持って言っている。信じても良いと思える。つまり確信度。「かな」は低くて「だよ」は高い。でも誰も確信度が強いとは教えてもらってないはず。子どもたちが学習できてる。林さんを探している。どの人かわからないので教えてもらえますか。緑色のドレスの人。あそこにいるピンク色のドレスの人。ピンクの人のところに。どうして?はじめの人の言うことを聞いていくと。文の最後が上がり調子。確信を持っていないな。文の最後が下がり調子。自信を持って言っている。断言口調。自信がない人のことを信じたいとは思わない。最期のクイズ。いとこの出産祝いを。男の子なのか女の子なのか。女の子だって思うよ。男の子だって知っているよ。思うよと知っているよ、重みが違う。知っているなら疑う余地がない。強い確信を表す。確信度の問題。思うは当てずっぽのこともある。知っているというのは遥かに先。知っているという表現の方が確信度が高い。実は3つのクイズを通して3種類の確信度の表現。文末表現。文末のイントネーション。思うと知っている。2歳から3歳の間に文末の違いを。上がり調子と下がり調子の違いもこの時期に。思うと知っているという確信度の違いは4歳から5歳。違いが不思議。お母さんや他の大人がどのような言葉を使うのかが要因になっている。言葉の意味の学習の際に3歳は「かな」で話す人に比べて自信たっぷりに話す人から学習する。イントネーションの判定は正しいかどうかかの判断に必要。学習すべき知識かそうでないかを判断。良い人生のための知恵。似てるようなものであっても少しずつ水準が違い時間に幅が。動詞のような文章の形も覚えなければならないし日本人の母親の使用頻度が低い言葉は習得が遅れる。「だよ」の頻度は高い。日常会話では中身より文末を聴いているところがある。子どもは母親が「だよ」という言葉に慣れると重要だと判断する。
物の名前を覚える、動作を覚える。感情や態度は目に見えない。大人が外国語を学ぶこととの違い。2つの可能性。子ども自身が生まれつき持っている能力。何処に生まれても好きや嫌いの欲求についての。3歳になるとより社会的感情を表す言葉を。確信度についてはイントネーションを。4歳頃に知っているの意味を。産まれた場所や習得言語に関わらず共通。子どもたちが使っている感情や態度の言語表現に対応する概念が出来ている。概念は心の言葉。随分と深遠な言い方。例えば嬉しいという感情について。実際の言葉では日本語と英語では形も音も全く異なる。概念となる核の部分が一緒。基本は同じ。個別の言語では全く違うが共通の意味が。心の中の抽象的な。子どもたちは何語を話してもある年令になると概念を理解できる。発達には産まれつき備わった能力が絡む。そのような共通した能力が。乳幼児期の母親との会話。ビデオを見ているだけでは言葉を習得しない。目の前に人が居て話しかけてくれる方が言葉を習得しやすい。「だよ」「よ」「かな」。確信度の理解が必要。これは子どもが持って産まれた能力が鍵。確信度の概念と対応する言語表現を正しく結びつける。マッピング。子どもがこのマッピングをする際に頻度が多いと機会が多い。確認の機会も沢山ある。文末表現などが早く習得できるのは母親の会話から。「知っている」「思う」。名詞は動詞より習得が早い。文の中に主語があり目的語があってという文の構造も理解する必要がある。共通だが動詞の方が文末助詞より遅れる。英語ではThingを使うが日本人はあまり使わない。日本人の場合「恥ずかしい」という言葉は2歳で用いる。Enbarass。4歳以降。日本人の母親はよく使っているから。承認できないと伝える。びっくりしたという表現。日本人の子どもは使えるが英語ではあまり使っていなくて3歳までは使わない。使用頻度の影響。言語文化毎に異なるから異文化の比較が面白そう。

 

 

 

 

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