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問題行動のある発達障害者への支援(司法矯正・犯罪心理学特論第11回)(放送大学講義録)

問題行動に至る理由はなかなか把握できないのが現状であるようだ。

 

------講義録始め-----

 

講義概要

この講義では、自閉スペクトラム症(ASD)の人々が示す異性への接近行動やその他の逸脱行動に焦点を当てています。これらの行動は誤解されがちですが、異なる動機や背景が存在します。

事例分析

  • 自閉スペクトラム症の異性への接近: ASDの人々は異性への関心ではなく、異性の持ち物への興味やコミュニケーション障害から接近行動を取ることがあります。
  • 動物への残酷な行為: 一部のASDの子供たちは動物に残酷な行為をすることがありますが、これは攻撃性からではなく解剖に対する興味からのものです。
  • 破壊行動: ストレスやコミュニケーションの障害が原因で、ASDの人々は破壊的な行動を取ることがあります。

支援の重要性

ASDの行動を理解するためには、行動の背後にある動機や状況を理解することが重要です。これには、コミュニケーションの改善、共感力の強化、具体的な指示と明確な行動基準の設定が効果的です。

発達障害者へのアプローチ

  • コミュニケーションの改善: 肯定的な言い方で具体的に伝えることで、ASDの人々にわかりやすくなります。
  • 構造化: ASDの人々は、見通しや場面に応じた対応が難しいことがあるため、構造化が有効です。これには、空間や時間の構造化、行動基準の明確化、視覚化などが含まれます。
  • 褒める技術: ASDの人々を支援する際は、褒める技術が重要です。観察力、エビデンスに基づく褒め方、短所を長所に見せる発想の転換、プラス思考、人間関係力の強化などが効果的です。

支援の実践と指針

  • スモールステップ: 小さな目標を設定し、一つずつ達成させることで、ASDの人々は自信を取り戻し、逸脱行動を減らすことができます。
  • ストレス管理: ASDの人々は自分のストレスレベルを自覚しにくいため、ストレスを事前に回避する方法を教えることが重要です。
  • 愛着障害との区別: ASDと愛着障害の問題行動は区別がつきにくいことがあるため、それぞれの背景を理解する必要があります。

まとめ

ASDの人々の理解と支援は、彼らの特性と個別のニーズに基づいて行う必要があります。