様々な介入の方法があるということだろう。
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自閉症スペクトラム障害(ASD)への治療の目標は、現時点で、1) 中心的な症状、すなわち社会的コミュニケーションと相互作用の欠如、反復的な行動や限定的な興味といった症状の低減、2) 学習能力の促進と適応能力、行動スキルの最大化、3) 機能的スキルを妨げる問題行動の低減にあります。
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機能的スキルを妨害する問題行動、いわゆる「チャレンジングビヘイビア」への対処として、治療的介入は教育、発達的介入、行動的介入の範囲で行われます。
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アメリカのナショナルオーティズムセンターは、22歳以下の自閉症スペクトラム障害を持つ個人に対して、十分なエビデンスに基づいた14の効果的な介入を紹介しています。
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これらの介入方法の多くは応用行動分析(ABA)に基づいており、日本では「アプライド・ビヘイビア・アナリシス」と呼ばれています。これに加えて、発達心理学、特別教育、言語療法などの分野も重要です。
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自閉症スペクトラム障害に有効な介入には、行動的介入、認知行動的介入、包括的行動治療、言語訓練、モデリング、自然な教授方略、保護者トレーニング、ピアトレーニング、ピボタルレスポンストレーニング(PRT)、スケジューリング、セルフマネージメント、ソーシャルスキルトレーニング、物語準拠型指導などがあります。
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22歳以上の自閉症スペクトラム障害のある人を対象に確立されている介入は、主に行動的介入です。
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行動的介入とは、適応的な行動を増やし、問題行動を減少させる応用行動分析に基づいたアプローチを指します。
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自閉症スペクトラム障害の臨床的ニーズは、認知、言語、運動、自立、社会性、問題行動、余暇活動など多岐にわたります。
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学齢期以降の応用行動分析のアプローチは、教育的アプローチと治療的アプローチに大別されます。前者は学校適応のためのスキル指導などを含み、後者は問題行動や併存症に対する治療を行います。
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応用行動分析の技法には、課題分析、タスクアナリシス、連鎖化(チェーニング)、システマティックプロンプト、フェーディング、マッチング・トゥー・サンプル、ディスクリートトライアルセッティング、シミュレーショントレーニング、トークンエコノミー、ビデオモデリングなどがあります。
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問題行動への対処には、機能分析、機能的コミュニケーショントレーニングによる適切な代替行動の教育が効果的です。
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自閉症スペクトラム障害の支援においては、早期介入の重要性、個々のニーズに応じた教育内容の調整、そして二次的問題への注意が必要です。