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自閉症スペクトラム障害と他者の理解(障害者・障害児心理学第12回)(放送大学講義録)

私にも心当たりがあるようなないような。

 

-----講義録始め------

 

この能力がなければ、人は他人の行動を見えた通りに解釈します。自閉症スペクトラム障害は、他者の信念を推定することと、認知の中の他者にのある行動の動機、信念を推測し、その推定に基づいて他社の次の行動を予測することを他者理解とした時、自閉症はその能力が制限されていることが知られています。また、推論を中心とする心の理論の障害だけではなく、ミラーニューロンのシステム障害が模倣の障害を引き起こし、そのため、他者の動きだけではなく、他者の痛み、他者の感情を自らの情動システムにマッチングさせ共有する共感の障害も想定されています。

次に、中枢統合、セントラルコヒーレンスの障害です。中出統合は、多様な情報から中心的で主要な情報や課題を選択的に取り出し、より工事の意味や概念にまとめ上げる能力です。この能力に障害があると、全体と部分との関係が捉えにくい、重要でない部分に過剰に集中するなどの問題が生じます。自閉症スペクトラム障害の場合、断片的な情報処理に問題は少ないが、全体を統合すること、そしてそれに意味を見出だすことに困難が生じると言われています。

最後に、手続き学習、プロセデュアルラーニングです。自閉症スペクトラム障害は、知識、具体的事実に関する記憶は良好です。それに対し、正常な学習過程では、学習内容は繰り返しにより大かれ少なかれ自動化されていきます。記憶されていきます。そして、必要があると自動的に検索されます。これを手続き学習と言います。自閉症スペクトラム障害は、この手続き学習の内容の中でも特に実用的な技能の検索に重度の障害があることが知られています。そのため、思い出したりすることに苦労してパニックに陥ったり、そのようなことがよくあります。

これで第12回発達障害児者の理解と支援自閉症スペクトラム障害を終わります。