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自閉症スペクトラム障害の心理学的理解(障害者・障害児心理学第12回)(放送大学講義録)

心理学の視点で考えるのが有意義なのだろう。

 

------講義録始め------

 

自閉症スペクトラム障害の心理学的理解:自閉症スペクトラム障害の原因は脳のどのような機能障害にあるのかということは、現時点では明確ではありません。また、脳科学の理論モデルの原点となる心理学的理解においても、全ての症状を説明できるようなものは今のところありません。そのような状況ですが、自閉症スペクトラム障害の症状を部分的にですが説明しようとしている理論モデルについて紹介したいと思います。

これらは、自閉症スペクトラム障害者の生活している場面ごとの視点として使用していくと役に立つことがあるかと思われます。まず、心の理論。セオリー・オブ・マインドという風に言われますけども、心の理論の障害、情動共有の障害です。心の理論は、他人の思考や感情を想像する能力です。人は周囲の世界を理解し、そこで何が起こっているのかを具体的にではなく抽象的に捉えます。具体的にというのは、観察できる他人の行動、そのようなものではなく、抽象的。背後にある意図とか願望とか希望とか感情とか、そのようなものを捉えます。