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「人の発達とは」を探る講演、発達心理学と生涯発達理論を基に、発達的変化と人生段階を熊野巡礼路絵から解説。#人の発達 #発達心理学 #生涯発達理論(発達心理学特論第1回)♯放送大学講義録

-----講義録始め-----

 

今回は第1回目として、「人の発達とは何か」というテーマでお話しします。本日取り上げるテーマは以下の3つです。まず、発達とは何か、ということについて、発達的変化をどのように捉えるかをお話しします。二つ目は、生涯発達について、様々な理論家が発達をどのように捉えるかについての理論を構築していますので、その理論について整理したいと思います。三つ目は、発達を捉える方法について、発達心理学の中で、発達をどのように捉えていくのか、その方法についてお話ししたいと思います。

人が発達するとはどういうことでしょうか。少なくとも私たちは、人が年齢に伴って何らかの変化を遂げていくと考えています。その変化はどのようなものでしょうか。この絵をご覧ください。

これは、熊野の巡礼路を歩く女性宗教者、クノイチが持ち歩き、説明を加えたものとされています。室町時代から江戸時代にかけてのものとされ、絵には人生の段階が描かれています。右下には、子供の誕生から始まり、徐々に成長し、大人になり、老後を迎え、最終的には死に至るプロセスが描かれています。

この絵の坂は人生の象徴であり、周囲の木々は時間の変化を示しています。人が亡くなった後、その魂がどのような運命をたどるか、天に昇るか、または地獄へ落ちるかは、生前の行いによって決まるというメッセージが込められています。これは、生きている間にどのように生きるべきか、どのような心構えでいるべきかを説くものです。死後の世界は宗教の領域に属しますが、生きている間の人の変化を階段の上り下りに例えるこのイメージは、多くの地域文化で見られる、私たちの共通のイメージと言えるでしょう。