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フロイトとピアジェによる心理性的発達段階説と認知発達理論を解説。性的エネルギー、エディプスコンプレックス、社会習慣獲得のプロセスを掘り下げ、発達心理学の基礎を紹介。(発達心理学特論第1回)♯放送大学講義録

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人の発達的変化をどのように捉えるかは、昔から様々な形で行われてきました。1900年以降の発達心理学における主な理論家として、パーソナリティーの発達を捉えたフロイトと認知発達のピアジェが挙げられます。これがフロイトについてですが、1856年に生まれ1939年に亡くなりました。フロイトはリビドという性的なエネルギーに基づく発達という精神力動説を唱え、心理性的発達段階説とも呼ばれています。フロイトの発達段階には、口唇期、肛門期、ファリック期(または男根期)、潜伏期、生殖器期という、一見奇妙に思われるかもしれない名前がついています。

これら5つの段階を通じて人が発達するとフロイトは考えました。これらの期間の意味は、人が外の世界との接触点で葛藤を起こす場所であるということを示しています。生まれて間もない時期から、子供は母親の乳房を吸うことや、生えてきた歯を使って噛むことなどの口唇活動を通じて快楽を得ようとします。これが口唇期です。1歳から3歳ごろになるとトイレトレーニングが始まり、排泄に快感を感じると同時に、親からの指導形式での排泄コントロールが始まり、この活動を通じて親との葛藤を経験することになります。

次のファリック期は、幼児期に当たります。これはギリシャ神話のオイディプス王の悲劇から名付けられました。男の子は母親に、女の子は父親に性的関心を持ち、逆の親を競争相手として見るようになります。しかし、この理解は性的な意味合いではなく、母親だけが全てであった子供の世界に父親が加わることで新しい世界が見えてくる、と今日的には解釈されます。

その後の潜伏期は、基本的に幼年期から思春期がそれに当たります。性的な葛藤から精神的エネルギーを抑圧し、性的欲求が表面に出にくくなり、新しい社会習慣を身につけたり、知識を習得する時期です。最後に成熟期は、思春期以降で、心理的に成熟した段階です。