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精神分析の本質 -現実と幻想-(精神分析とユング心理学第4回)

大学院生の授業の事例が出ていたが、退行が必要なのは大人になってからなのかもしれない。

 

森さち子。現実と幻想は本質的テーマ。現実は心の外。適応しながら生きていくしか無い。心の内側でいかようにも変容。想像を自由に。色んなことが自在に。限り無く主観的な。現実と幻想を様々に折り合いをつけながらバランスを。けれども適応のバランスを取ることに汲々として内的苦痛が高まったりするとバランスが崩れる。常に現実の感覚を保てば神経症に。幻想が高まると問題を引き起こすことが。境界例水準。スクイズム。心の世界を外界に。投影と呼ばれる。投影が過剰になりすぎてある種自分の思うように世界を。その際に内省することがないので周囲の人のせいに。回りが悪いということになる。神経症水準の人は自省的。現実との接点が全く失われるのは精神病水準。垣根が出来ない。映画やドラマに入り込みスイッチを切っても非現実な世界に留まる。映画「風と共に去りぬ」。スカーレット・オハラに。現実から離れて恋愛妄想などに。恋愛妄想は対象との間に心のなかで。血統妄想。思い通りの幻想の世界に。心の外側と心の内側で現実感覚が。境界がどのように働くか。心のバランス感覚、葛藤を分析。現実的なルールを守る。内なるルールを。人は現実に合わせながら願望を。その相克で苦悩を。クリエイティブな営みにも繋がる。自分の願望そのものはあまりに現実離れして生々しい。非現実的なものを現実に変換していくとき。芸術的な表現に。遊びの要素を含む。衝動を発散しそのまま満たすのではなく社会に受け入れられる形で表現するのを創造性と。境界例水準や精神病水準では現実を自分に染めてしまったり現実を歪めたり。心の破綻。そして本質的テーマは心の現実。
現実と幻想について。フロイトの着想で。心を司る2つの原則。現実原則と快感原則を仮定。心の過程の原理。現実原則。快適な現実に。快感原則。心理過程の原理。必然的に生じる原則が現実原則。ただ快を求める快感原則。人の成長は自分の求める快をもたらさない。生きる以上は現実原則に。充足そのものを諦めたり。我慢して得られる快があると。幼児の成長。全能感を失う。現実的な自己が形成。主観的な満足を追求する。一次過程。最も原始的な働き。ミルクをのんで満足を。その経験を記憶。ココロの中に刻まれ記憶の痕跡が。乳児はそれまでの快と満足の記憶を根拠に快を再生する。幻想の快を。自己愛を満たす原則的満足。一方で幻覚的な満足を得られても欠乏という現実に。成長の過程で現実原則に従わないと生きられないことを。現実検討。自我の重要な働き。境界感覚は現実検討力とも。幻覚の中で一次過程を。現実検討を行うのを二次過程と。快の満足を求める一次過程は働き続けるが。発達とともに分化。二次過程が意識の過程に。1人の心の中の2つの心理過程。現実原則に適応する過程で、一次過程を抑圧する。幻覚夢空想を作り出す。現実原則に従うこと。上手く適応することが快になることを学ぶ。何かを達成することで満足を。現実原則と快感原則は断絶を意味せず、獲得する快がある。一方で現実原則ばかりを優先させると心のエネルギーが乏しくなる。二次過程と一次過程を自由に行き来するしなやかさが心の健康。3歳の頃に夜泣きが。癇癪も起こす。比較的育てやすかったが。夜中に泣いたり。何が?3歳下の弟が居て、よちよち歩きが。お兄ちゃんらしく。しかしその後は夜泣きが。ぐっと我慢していた。現実原則を自分に強いる。弟を怒らず良いお兄さんになればママの愛情を獲得できると。あまりに我慢しすぎて感情が夜泣きの形や癇癪として。現実原則に従い感情をコントロールしすぎて。発達の過程で環境が変わると順調に育っている子どもにゆらぎが。共感する保護者のもとで安定を得ることが出来る。母親は理解を深めて気持ちを少し緩められるように気を配って。現実原則とままに甘える快感原則のバランスを取れるように。Gapが埋められると癇癪も治まる。母子交流も。目が覚めた時に自分が今見た怖い夢をままに語ってまた眠ることが。夜泣きは怖い夢と関連、様々なNegativeな感情と関連が、家の壁に好きなだけ落書きをしたらママが怒り出ていってしまった。大事な母親が居なくなり怖いことを招く。この夢を母親に語り理解してもらうことが安心感を与える。自分の体験を母親に共有してもらうことが心の成長を支える。子どもの成長過程における。
フロイト以後にアメリカで。現実の世界と空想の世界を分けながら二次世界に入っていけるように。一次的退行。弾力性を示す。一時的に二次過程から一次過程への退行を。回復の過程で活力を有効に受け入れられるように。昇華。欲動や願望が社会的に評価されるような形で。最も社会的適応力の高い方法。内的な葛藤に押しつぶされること無く意識的に欲動を解放して、現実原則に戻りコントロールを。幻想的な世界への退行を活力源として芸術的な創造力を。むしろ活力にして。創造的退行。興味深い体験。大学で臨床心理学専攻以外の学生にも。様々な専門を持つ大学院生に絵本について素朴な印象を話し合い体験したところでグループごとに発表。基本シリーズの授業の最後に心を動かされることについてレポートを。高度に知的な社会に暮らす学生に子どもの世界に戻ることを。知的囚われから自由になって。絵本の中で遊ぶことは退行に。かわりばんこに朗読したりキャラクターにより読み合わせを。次の段階では素朴な体験を他者に伝える。そのプロセスは一次過程への退行から二次過程へと。印象深い体験を。レポートを紹介。人は日常において自分から最も隠れた存在である。言葉は表面をさらってばかり。何が良くてなにか悪いか外から考えるのは簡単。久しぶりに自分に帰っている、そんな自分に気がつく。普段は現実原則について気がつく。絵本の自由な発送に触れ自分の自由な部分が。まさに絵本導入の体験的授業で、自分を取り戻すプロセスを。遊び心を刺激する。体験が自己の気づき。新しいクリエイティブな体験に。普段忙しく現実適応に。リラックスすることを。心の活力が得られて自分らしさを。改めて気がつく。一人ひとりにとり心から自由になれる領域は?無防備になる世界が心の豊かさに。日常の心の健康維持に活かす。
心的リアリティ。心的現実。性的外傷説。クライエントの話す内容が事実か否かを精神分析では問わない。内的現実が心の現実、心的リアリティとして。フロイトは患者が受け身の立場で大人から性的誘惑を。後に神経症になる可能性を論じる。性的誘惑説。大人による。子どもにとり心的外傷をもたらす。性的外傷が神経症の原因であること。大人の性的誘惑により起こったことであるということ。性的虐待の実態を明らかに。病理的な。フロイトは幼少期に虐待を受ければ誰でも病理に至ると考えた訳ではない。臨床家が無理やり話させることを危惧。偽りの記憶の再生に繋がる。外傷体験を訴える患者への対応に重要。その時代のウイーン社会を驚かせたフロイトに。大きな揺らぎが、ヒステリーの患者が回想する性的体験がしばしば空想と現実の混合であることを。厳しい試練に。性をめぐる偽善を暴けだす。公の場で発表していたフロイトは、真実でなかったと知ることは試練に。虚構に振り回される。衝撃的な刺激に真っ向から。誤りを認め理論の再構成を。心的リアリティ。心の真実に。心的リアリティは紛れもない事実であるということ。仮に患者が回想する記憶が誤ったものであってもそう思い語ることに意味があると捉える。誤った記憶をそう思い込んでいるリアリティを聴くことに心的な意義を。患者の心の現実に。新しく発見されたのは心的リアリティ。臨床上の客観的な事実以上に価値が。客観的事実でなくても空想を生み出したことを。神経症の患者にとり空想の内容と実際の内容に変化はない。神経症患者にとっては心的リアリティこそ影響が。人間なら誰でもそうかもしれない。心的リアリティこそ規定する。健康に恵まれたなどでも本人が不幸せに感じているなら、意味があるのは心的リアリティの方。事実を元に洞察を深める。更に理解を。どの患者にも共通するのは元々心のなかにあるのでは?自らの自己分析を元にエディプス・コンプレックスを原幻想と。自分だけのことではなく普遍的な人間像。原幻想は心的リアリティの極一部。空想や全ての体験。日々味わう主観的体験の全てを。どこまでは現実で空想かは判断が難しい。心に感じていること、体験していると思いこんでいること。その人の心の真実であるということ。

 

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