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症状をめぐる精神分析的“力動”の理解(精神分析とユング心理学第6回)

自分の心の中を知りたくもあるけれど怖いとも感じてしまう。

 

森さち子。症状を巡る精神分析的「力動」の理解。様々な症状や訴えの背景には心の葛藤が。無意識的な葛藤も。心の奥には様々な衝動が。名前をつけられない曖昧な衝動。どれとも言い切れない。幾つかが混ざり合う。そこはなとない衝動など。言葉に言い表せない衝動が。絶えず流れている。日常で誰かに思いがけない言葉を。新しい状況に置かれる。衝動がどのような?瞬間瞬間にそれほど考えずに対応することも。もしかしたら自分の行動に驚くことも。普段は様々な動きを感じながら生活している。深刻に捉えすぎないようにしたり後回しにしたりしてその人の対処を。もし上手に対処できないと心のほころびが。失敗して落ち込んだり挫折感を。そこから抜け出せなかったり。達成感でタガが外れる。普段とは異なる心の状態。しばらく経てば戻ることも、戻らないことも。躁状態。心に深刻に。フラッシュバック。不安状態から抜け出せない。傷が深いことを示す。その状態を心的外傷後ストレス障害と診断されるかも。気分の低下が慢性化して鬱状態に。内容や程度にもよるが、その人が柔軟性を持って対処できるか、資質や臨機応変さなども絡んで、何らかの病理が引き起こされることも。どれほどの打撃を与えるか、どの程度回復できるか、再起不能になるかは個体差が顕著に。1人1人に違う。心の中の動きは様々な形で外に。言動は見えるが心の動きを。精神力動。様々な感情や衝動が錯綜しながら現実の行動を支配する。全体を力動と呼ぶ。専門家に援助を求めて相談に。心の衝動に対応できない。中核的な心のテーマ。何が起こっているか分からない。症状をどのように消すか分からない。留意する点。漠然として恐怖や悩みを。心のテーマと理解して臨床家は迷わない。クライエントが頭痛などの身体症状を訴える時に心の問題とするのは危険。呼吸困難のカテリーナ。ヒステリー症状は身体の症状に置き換えられる。原因となる身体疾患を疑いドクターによる治療を優先する。異常がないと初めて心と関わると。問診や検査で疾病が否定されるのが必要。除外診断。最後に残るのが心の問題。最終的に医学的原因がないなら心の問題。心の臨床家は最後に心に。深刻な身体的病理を見逃さない。クライエントの身体症状は悪化してしまう。脳の腫瘍は血流の異変が引き起こすことも。なんでも心の問題と考えがちだが。心身の状態に目を向けて専門家へのルートを。
心の中のこと。力動はクライエントだけに見られるものではない。適応力の高い人の中にも。精神力動がどのように動いていると良い適応が出来ていると言えるか。困ったことになるといえるか。その違いを。自分を理解する、心の動きを理解する鍵に。自分の心の動きを知ると予防的に対処もできる。力動的に心を解釈していく。様々な概念が。代表的なもの。基本概念を押さえておくと臨床を身近に。自己の洞察の手がかりにも。精神分析について。臨床家は難しい言葉を鎧みたいに。知的防衛が強すぎる。専門用語として用いると内部では早く通じる。便利な言葉が沢山ある。本来フロイトが使用した用語はドイツ語の具体的な用語。訳される過程で専門語らしくなる。経緯も念頭に置いて用語の理解を。意識と無意識。フロイトは意識で説明することが出来ない世界を無意識の世界と。意識が優勢になっている私たちにとり遥かに遠いが抽象的なものではない。精神力動。願望がうずまき様々な防衛機制が。臨床家フロイトの功績。とりわけ強調したいのはダイナミックに捉えること。無意識の世界が影響を。前意識と3つの領域。局所。心を捉える局所論。前意識は意図すれば理解しうる。心的構造論。エス超自我自我から。エスは体の内部からの本能的なこと。英語のIt。快感原則の支配する領域。現実原則を無視して快を求める。即時的満足を。欲動のエス。超自我。英語でスーパーエゴ。罪悪感と結びつく。禁止や処罰をする親の内在化。超自我も無意識の領域に。なになにをしなければしてはならない。コントロールする力。快感原則のエスと真っ向から対立。自我。様々な対立葛藤にバランスを取る。エスによりかきたてられるものに現実検討を。現実的適応を。妥協的。エゴ。どうしても日常的実感から遠い。フロイトは自然に用いられるドイツ語に。英語から日本語になり自我に。自我が上手にやりくりしているので処し方が安定する。制御するし厳しい超自我にも対応して調整。自分の心の中のこと、自分の言動について理解が進む。葛藤が捉えやすくなる。葛藤を自覚するようになる、観察自我が働く。上手く働くと自分を吟味して適応力も高まる。その人独自の個性、心の癖も。自我の働き方。様々な心の処し方。自分の守り方。心の安定を図るために自我の対処。精神力動を。防衛機制。原型は抑圧。超自我から厳しく押し込められる。意識したり行動したりすることで不安感や罪悪感を。特に激しい攻撃性や憎しみによるものを閉じ込める。内的安定を。抑圧は無意識的に作動する。程よく働いて現実適応が。あまりに抑圧が強いと。超自我が強くと神経症になったりもする。エリザベートの症例。無意識の内に封じ込めようとして足の痛みに。抑圧という防衛機制は他の防衛機制とセットに。様々な防衛機制が作動する。代表的なものを。否認、回避、逃避。否認は都合の悪い現実を認めないということ。大変楽。実際にはそういうわけにはいかない。しかしある程度に否認しないと生きられない。心配性のお母さん。一人息子を大切に。片時も離さずに。郵便ポストに行くときでさえ抱いて連れて行く。小学校になっても。外の世界は考えると際限がない。学校でイジメにあったら可哀想。登校中に車にぶつかったら大変。地震が起きれば、誘拐に会えば?最悪の事態が怒りうるのを知っていながら否認しているから外に出れる。年齢についての否認。30代や40代になり。実年齢よりも10歳から15歳若く捉えている。もちろん実年齢は知っているが年甲斐のないことをしたり。否認が働いているから。極端にあると無理をして病気になったりする。若く捉えていると健康にもなる。否認の例として最愛のママを交通事故で亡くした小学生の女の子。現実には居ないと知っていたが敢えて無いことにしていた。否認していた。夢の中の世界を大事に。隔離。アイスレーション。ある体験的事実と強い感情を切り離す。事実と情緒体験を切り離せば。他人事のように淡々と語る時に隔離が働いている。防衛規制があるから冷静に話せる。問いかけは禁物。心を破壊するほどの激烈な体験であるからこそ隔離が。情緒を安易に結びつけるようにすると大変な情緒的危機を。矛盾を感じたとしても考慮が必要。土足で内的世界に入っていくのは危険。酷く情緒が揺さぶられる体験を無表情に語っている時に直面化の介入を。それも充分に心の準備が出来ているか充分な配慮が必要。隔離の防衛が。お母さんのことを。不慮の事故で娘を失くす。事実を淡々と話す。妙な感覚を後に語る。壮絶な悲しみを体験できないでいた。隔離という防衛機制が。逆転を基本としたやり直しの防衛機制。美化。不快なことを感じないように内的な安定を図る。良い世界と考えると幸せ。現実の直視ができず自己内省が弱まり人間関係が表面的に。嘘っぽい関係に。反動形成。感じているのとは正反対に。相手に心を知られないように。慇懃無礼。強すぎると、わざとらしく不自然。3歳4歳の男の子。赤ちゃんの弟が気に入らないにも関わらず良き兄として。まさに反動形成。ところが無理を続けて夜泣きが癇癪が。それから20代の女性。幼い頃に慣れない外国の地で母が頼りにならないので幻滅を。それから弱い気持ちを感じそうになると強がりを。強気、反動形成を目一杯発動させる。思ったり考えたり言及したりしたことを否定する打ち消しややり直し。心の安寧を。他のものに、抽象的なものに。抽象化、昇華。置き換え、象徴化。自我の形成とともに社会的適応に。自己と外界の境界に。投影。一方で精神病や境界例の人間に。分裂。投影性同一視。原始的位相化。原始的防衛機制が働くと周囲を翻弄する。泥沼化する可能性が。
概念を知り無意識的領域に。自身の防衛機制のあり方を。心の力動を自覚できるようになると豊かに広がる。

 

精神分析とユング心理学 (放送大学教材)

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  • 作者:森 さち子
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  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)