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ユング心理学:コンプレックスと元型(精神分析とユング心理学第9回)

赤の書を紐解くのも貴重な体験になるかもしれない。覚悟は当然必要になるけど。

 

大場登。コンプレックスと元型。ユング心理学。コンプレックスの紹介。理解した上で。人類のコンプレックスとも言う元型について。ユングを紹介するのにユング自伝を。特異な性格を。幼少期から内面的な経験。イマジネーションに見舞われたのか。方向喪失、内的不確実感に。想像の病に。夢への営み。自分を使った実験。赤の書に詳細に記されている。この時期のユングが連想や考察を赤の表紙の大きな書に書き写し、絵や曼荼羅なども。無意識との対決。生涯をかけて展開する心理学の基本的視点が殆ど見いだされる。非常に内的なものなので強い不安を。出版には躊躇。09年10年にようやく世界同時刊行を。大きな書物でたくさんの絵がカラーで。高額。気軽に購入はしがたい。大型本。手にとって見るのも良いかも。14年には赤の書のテキスト版が。赤の書はユングが方向喪失の時に経験した無意識との取り組みを。人物像たちとの生き生きとした生々しいやり取りが。大変なエネルギーが必要。圧倒されかねない書物。ユングの幾つかの夢やビジョンを。13年12月にみた夢。茶色い皮膚をした見知らぬ若者と岩山に。星星は消えようとしていた。彼を殺害しなければ。待ち伏せて最初の光線の中山の稜線に。走り下りて彼を撃った。倒れて死んだ。日本を含めて多くの国で出版されている原題はドイツ語で、ユングの夢回想。死んだ年の出版に。ヤッセ編纂の。85年版を底本。夢の中のゲルマンの英雄ジークフリートの殺害。自我の意志よりもより高いものが。頭を下げなければ。夢の中でジークフリートを射殺したときに圧倒的な悲しみを。共感は人が自分自身の理想と離れなければならない苦悩。英雄との密かな同一性が。苦悩とともに経験したことは分析心理学が持つ内的世界観の一つに。心の奥の声に耳を傾けるときは自我の意思は犠牲にされねばならない。高次のものに頭を下げねばならない。個性化。人間にとっての意識の重要性。長い年月をかけて意識体系を築く。自分とはどのような人間であるか、家族などとはどのような関わりを。自然への理解。価値観。様々な環境や遺伝子のもとで偶然などと関わりながら固有の体系として。新しく出会った出来事は意識の網の目の中に位置を定められ経験していく。意識の体系の要が自我と理解される。自我という日本語は複雑な背景を。ドイツ語でIch。英語でIやMe。個々人が苦労して築き上げる意識体系の要の人格が自我と表現される。私とも表現できる。実は人間の心には無意識が。渦のようなものが。意識と無意識。渦のような存在、その一つがコンプレックス。築き上げた意識体型に対しコンプレックスなど様々な渦のようなもの。存在主張を。一つのコンプレックスが活性化して意識には大変な仕事。心身の症状に見舞われることも。それまでの意識体系の中に性というものが入っていない場合に性のコンプレックスが活性化することもある。これまでの意識体系は性なしで安定していた。意識体系側も抵抗をして強迫症状などが出現する。性といった汚いものは徹底的に排除。洗浄強迫に苦しむことも。閉めてきたのに性に出てきては困るので無意識的にやたらと戸締まりが気になったり。駅についたら逆に鍵を開けたままに?延々と繰り返されて学校や会社に。確認強迫や戸締まり強迫。バカバカしいと思いながら。性のコンプレックスが活性化していることも古典的には。もちろんもっと複雑なことも。性をめぐるコンプレックスと向き合い意識が変容していくのに人間は症状に見舞われることもあれば何年もかかることも。1人での作業。セラピストとの協力も。変容のプロセス。新しい意識体系が。症状に見舞われることはとても苦しいことだが、意識のあり方の変容が要請されているということ。決して当人にとり否定的なものではない。苦しいプロセスを経過して変容を遂げて、一息ついたかと思えば別のコンプレックスが。またも意識体系の変容を迫られる。このようなプロセスの連続。個性化。意識の主体としての自我。個性化の過程とされるプロセス。心全体の中心とも表現できるものを自己、セルフと。ジークフリート殺害の夢で自我の意思より高いものが。自我の意思より高いものが自己と理解できる。ユングが12年から苦しんだ想像の病。37歳から44歳までの間。フロイトが成人に至るまでの時期に焦点を。ユングは人生の後半を重視。中年期に危機に見舞われることが多く、中年期危機。自己が現れる方向への。13年12月の夢の後、地下、下。無意識をイメージ。宇宙の混沌の端。クレータ。死者の国。白いひげの老人と美しい少女に。声をかける。少女はサロメと。エリアが老人。カトリックプロテスタントの話。エリアは預言者。エリアは預言者を集めて1人で対峙して神が1人であることを示す。明晰な知性を持つ。賢く年老いた預言者。サロメ。聖書に関わる。マルコによる福音書。ガラリアの太守ヘロデ王。兄弟の妻を娶るのは良くない?ヘロディアはヨハネを殺したかったが叶わない。宴会を催す機会が。ヘロデ王に対しヘロディアの娘は母に聴く。今すぐヨハネの首をいただきたいと。ヘロデはやむを得ずヨハネの首を。母に渡す。ヘロディアの娘こそサロメという伝説が。様々な作品のモチーフになる。サロメには悪徳と退廃のイメージが。エリアとともにサロメが現れたことに肝をつぶした。盲目でもあったので、エロティックな要素があり警戒。異教徒的な男性。ある夢の中で翼を持つ老人。1束の4つの鍵を。錠を開けようと。心の指導者となる。ユングのイマジネーションのフィレモンなど。人間の心のイメージ。イマジネーションの中の人物像。自らを作り出す存在があるという認識を。ある力を。想像上の対話をして思ってもみなかったことを。フィレモン。考えはおりの動物や部屋の中の人間と同じように自分の生を持ったもの。私は心の客観性。心の現実性を教わっていった。フィレモンとの対話。いわば客観的な存在として。私の中で私の知らないことを語ることのできる存在があることを。ユングはこのようにして人間の心の中には自分の知らない世界があることを知る。無意識の世界が客観的であると。逆説的な視点。心の深いところに降りていったので主観の世界を決定的に探索する?ところが内界の奥深くに入っていくと自我の預かり知らぬ世界が広大に広がっている。個人的でない内界が。この内的宇宙を客観的であると。人間の心の中の内的宇宙を伝えなければならない。人間一般の心の問題であると認識。無意識との対決の時期に経験したことを蒸留していくのに45年の年月を必要としたと。その後も見据え続けられている心の世界。目のようなものであったとしてもユングが格闘した世界にあると。乱気流が存在しているように。ココロの中にも心理的渦というコンプレックスがあると。ユングは個人的色彩を持つコンプレックスが。個人を超えた無意識の世界。集合的無意識。その中にこそ元型というものが。かつて普遍的無意識と使われたことも。ユングがなぜ敢えて集合的としたか。Collective。Personalに対する。プラスマイナスの両面で。日本社会はCollectiveな社会と批判される。集団安全保障でドイツを繋ぎ止める。ユングもこの意味でCollectiveと。これに対して普遍的という言葉はどちらかというと肯定的。意味合いを可能な限り忠実に訳すと集合的無意識が適切。非常に貴重な世界である外的世界と同じように内的世界を大事にすべきとしたが、過大評価には慎重だった。時々ユング心理学が誤解されるが。超個人性は美化されたり絶対化されたりすることはない。慎重で批判的関わりを。集合的無意識からのイメージへの対決を。ユングの好きな人はイメージに開かれた人が多いが、イメージに自分が如何に取り組むかが死活的に重要であると。今後の各回で神話や昔話が。各回では一つの元型であると。元型という考え方。アニマなどの極限定されたものしかないと誤解されていたことが。人間の心には元型も無数に存在。コンプレックスも無数に。全て元型とつながっている。カインとアベル。兄弟の複雑な葛藤関係。元型とみなした方が良い。モチーフは個人の生活の傷に起因するというより、人類に共通のコンプレックス、元型であると考える方が自然。個人的な兄弟葛藤の傷に由来するカイン・コンプレックスとカインアベル元型は相互につながっている。共に刺激されると理解することができる。個人的無意識や、当該人物とは一義的には無関係に人間であるが故の内的世界での渦があるのだと。様々なイメージがひしめいていると。星の断片と同様に内的世界にコンプレックスや元型がある。

 

精神分析とユング心理学 (放送大学教材)

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心理カウンセリング序説 (放送大学教材)

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  • 作者:大場 登
  • 発売日: 2015/03/01
  • メディア: 単行本
 

 

 

赤の書 テキスト版

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