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地域博物館論の基礎 ―伊藤寿朗の地域博物館論― #放送大学講義録(博物館教育論第13回その1)

ーーーー講義録始めーーーー

 

私は今回を担当する島絵里子です。国際化、地域と博物館について、多摩六都科学館研究・交流グループリーダーの髙尾戸美さんのお話を交えて、事例を紹介しながら考察します。博物館の地域への貢献や国際理解、国際交流への貢献について概観していきます。
初めに、博物館学の研究者であった伊藤寿朗さんの地域博物館論から、地域博物館について紹介します。
地域博物館という考え方は、もともとは国立の大型館などとは異なる中小博物館の自己主張であったといいます。それは横須賀市博物館(現在の横須賀市自然・人文博物館)や大阪市立自然科学博物館(旧自然科学博物館。現在の大阪市立自然史博物館)など、地域での活動を続けてきた博物館のアイデンティティ、自己存在証明であったといいます。
こうした蓄積の上に、1976年に開館した平塚市博物館が、「地域博物館」という用語に「地域」の特別な意味を持たせて用い、そのあり方を示す一つの概念として成立していく契機となりました。
伊藤さんは、「地域の資料を中心としているから地域博物館なのではなく、地域の課題に博物館の機能を通して、市民とともに応えていこうというのが地域博物館である」と指摘しました。

 

伊藤寿朗の地域博物館論(要点整理)〔6〕

 

        地域課題(地域の現実・問題)
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                 │  博物館の機能(収集・保存・調査研究・展示/教育普及 等)
                 │
市民(主体) ───┼─── 市民とともに取り組む(代行ではなく支える)
                 │
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     地域の新しい価値の発見/学びの公共空間としての博物館