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箱庭療法(臨床心理面接特論(2)第7回)

箱庭療法は具体的なものから理論的なものを取り出さなければならないのだなと感じた。

 

小野けい子。心理療法の世界。箱庭療法。よく知られている。
箱庭療法の概略。歴史。56年カルフ女史により創始。日本には65年に河合隼雄により箱庭療法の名で。遊びが日本の中にあった。普及には関係がある?盆石。美しい風景を表現する遊び、大人の趣味。箱庭遊び。50年代ころまでは子供の遊びとも。湯川秀樹の「旅人」。5,6歳の頃好きだったのは箱庭。箱と砂と木切れ。成人にも適用されるが、児童相談所などに普及している。87年創立の日本箱庭療法学会には1500名居る。年に3号。歴史的には39年のイギリスで1技法として。内的世界の表現。世界技法が元に。アメリカでは投影診断法の1つとして。スイスのカルフにより成人にも有効な心理療法として。心理療法でありテストとは趣が異なる。
方法。砂の入った箱とミニチュア玩具。砂と玩具を使って何でもいいから作ってと砂遊びを。色んな表現を。大きさは決まっていて、一望のもとに。内側が水色に。砂を除くと水の表現に。色々な玩具を用意する。人や花、乗り物や柵や石、怪獣など。テストであるなら一定であるべきだが。持参も許している。道具は幾つかのメーカーから。セットで買う必要はない。だいたいの大きさで。内法が水であることは守って欲しい。砂は色んなところから模索していた。川や砂浜で。砂の大きさも違うし色も違う。数多く用意する人も。湿った砂と乾いた砂。随分と触った感じが違う。乾いた砂だけが殆どだが、とてもサラサラして綺麗。湿らせると山の形を作れてトンネルも。造形が違う。色も濃くなる。どちらかを選んでもらう。表現されるものも違う。湿った砂の方が汚れた感じ?色が濃いのは記憶が栄養分を沢山含んだ土という漢字が。乾いた砂と水を用意しておく人が多いかもしれない。ミニチュア玩具。箱庭道具の用意セットが売られていなかったので自分で揃えた。夜市や石。宗教的なものも。それを守りにしていろんな表現が。道路標識のようなものも面白い。ここから行ってはいけない。クライエントはユニークに使う。素材のようなもの。石や綿も。セットではない色んなおもちゃから。工夫をすれば箱だけでよく自分で探すと安く上がるかもしれない。テストではないので自由度が許されている。箱庭をずっとしていて興味がある人は色々揃えている。セットで置いている人は使用頻度が少ないかもしれない。象徴体験。表現されるものは象徴的にはどんな意味を持つか関心を。神話や昔話にも関心を。象徴理論にも関心を。ミニチュア玩具にも色んなものが欲しい、意味を持っていることが分かる。分析心理学の応用。関係を重視して受容された関係。自己治癒力を働かせる。象徴やイメージの意味の適用。
適用範囲。年齢的には4才児から老年の人まで。絵を書くときのような技法が必要でない。認知症が始まった人にも。色んな神経症や心身症の人にも。統合失調症の人の適用には慎重に。見分ける方法として風景構成法やバウムテストの査定が。
テーマ。箱庭で出てくるテーマ。分割された世界とその統合。よく出てくる。領域が2分割3分割される。川や塀や柵。その後の闘争を経て統合。箱庭の一部しか使わなかったのが領域が拡大。進展に従い領域が広がり内容も分化。戦いはこころの葛藤の表現かもしれない。ある男の子は始から最後まで戦いを。動物の混沌とした、怪獣、ロボット、中世の騎士。インディアンと白人の戦い。オートバイレース。越えられなかったものをオートバイが破って治療が終了。社会的に受容される。秩序だった発達段階。英雄神話。ノイマン。西洋の自我の確立。グレートマザーを殺す英雄。未分化の時は自らの王。自我がその萌芽を表す時。自我の確立。ドラゴンを殺戮し捉えられた女性と結婚。得難い宝を。神話は世界と新しい関係を結ぶ。心的エネルギーが獲得される。川を渡る。ルビコン川を渡る。人格などが変わる。曼荼羅。仏教における悟りを表現。4分割や8分割などの表現。マンダーは中心。ラは所有。心の中心の表現。意識も無意識も含めた中心を自我と。これから良くなるという転回点。曼荼羅を置いたが悪くなる、という表現も。ユングも方向喪失の時に曼荼羅を。曼荼羅についての書籍を読んで、仏教で言うところの曼荼羅であると。
箱庭療法と治癒力。クライエントとの関係で成長力や自己実現の力を。活性化することにより。他の心理療法も同様。自己治癒力は意志によるのではない。意識は時に一面的で歪んだものであることが。狭く硬いものであってもそれを補って成長に向かわせる。無意識内の自己治癒力が活性化。自由にして保護された空間が必要。治療者の存在が作り出す。治療者によりどれだけ受容されるか。治療的対人関係でありながら箱庭が介在する。箱庭療法では用具と治癒力。砂遊びが大好き。細かい手触りの良い砂。母性的な感覚。適度な対抗。深い層との接触を用意する。可能性の現象に対し過渡的。自然の一部で母なる大地と接触。体感することは生物の生命力を。砂箱。心理療法では時間や空間を厳しく限定して守る。砂箱も空間を限定して二重に守り。自由に内界のイメージを表現できる。カルフは自由にして保護された空間と呼んで、普段の防衛の枠を越えた深い内界のイメージが表現される。枠を超える表現。登場人物が跨いで外に出るという展開はアクティングアウト、逸脱表現で危険。空間的に二重に守る枠に。守りの厚い心理療法。砂箱は内法が水色に。水が現れ。海などが実現。無意識と関わる。意識と無意識の関係。ミニチュアと治癒力。箱庭療法においては玩具や素材が。作品が作り上げられる。描画療法と共通。ミニチュアを使用することで得手不得手に関わらず表現。表現技能に依存しないぶん自分の表現が。表現が立体としてなされることもぴったり感を。脅迫的心性を。退行を促す。
溶解と結晶化。ベルガー。芸術療法の導入を。無意識的なものを描画。退行が出来るように。描画という方法は内面を統御するためにも。囚われている観念を描画に。描画だけでなく箱庭療法も治癒力を。無意識の明確化を治癒のKEYWORDにしたのに対し、言語によるより直感的理解、深いレベル、それだけで治癒が。本質的。箱庭表現が創造的変容の力を。癒す力。治癒力は岡田安信がフュージョンと。フロイトは混乱し溶解し自己がない状態と。岡田は箱庭は結晶させるものと。退行し自我の統制が緩まった。フラスコと触媒を持つことにより退行して化学変化によるフュージョンを。溶解した物質が結晶する。夢分析においてもイメージ表現としての夢を。意味するものを言語化し意識化。治療過程はかなり異なる。砂に触ることによる意識の退行。箱庭の中に作品として仕上げる関与が。溶解と結晶化による治癒。遊びとも関係が深い。シラー。遊ぶことが治癒力の原動力。
治癒力を論じる。転移。いわゆるクライエントの過去の人物との対人関係がセラピストの関係。鏡映像。母親への怒りの感情があったときにも治療者に投影されて治療関係で怒りがあって初めて認識され治療で扱いうる。無論、治療関係が重要。カルフが母子一体性と呼んだ治療関係。活性化。意味において広い意味での転移逆転移関係が。鏡映像となりうるのは転移だけではない。イメージが重視されるが、箱庭という鏡に映し出されたイメージも鏡映像。戦いが表現された時、心の中の葛藤が扱いうる。
なぜ良くなるの?治癒力について。

 

臨床心理面接特論II: 心理療法の世界 (放送大学大学院教材)

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