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セラピストとクライアントの関係性(臨床心理面接特論(1)第12回)

心理療法だけでなく一般の人間関係にも有益な話だった。

 

大山泰宏。セラピストとクライアントの関係性。究極の問い。ジャーゴン。どんなニュアンスが?関係性を巡りどのようなことが?
関係性には普通の人間関係とは異なる面や掘り下げた。
どのようにセラピストとクライアントの関係性が始まるか。出会う時。通常の人間関係はない。知っている人ではなく。利害関係がない2人が出会うところから。まず何が生じる?初めて出会う人に対して対人スキーマ。それまでの人間関係の中で築き上げた相手に対する認知の仕方。どのような性格の人かなど。過去の経験を総動員して当てはめる。互いに働きイメージが。クライアントにはセラピストへの期待、イメージ。職業がそもそもどういうものか。出会ったセラピストのイメージを。それまでのセラピー経験が不幸な場合もある。カウンセラーなんて信用しない、しかしはっきり言うことで関係が。日本の文化では居心地が悪いが、駆け出しの頃も先生と呼ぶ。第一人称ではなく。東アジアの儒教文化圏に特徴的。日本の心理療法や心理面接の展開の特徴。セラピストの方もクライアントにイメージを。対人スキーマを越えて見立てるためのイメージを。どういう来歴で心のテーマが。どのようなものを目指しているか。知識や経験を用いて治療セラピーに関する手がかりを得るためにイメージを形成する。いくつかの層に渡るところから関係性が始まる。
どんなふうにセラピストがクライアントに。面接に訪れると治療枠や治療構造が。計画関係を。時間や料金、契約上のルール。電話をする時の手続。面接キャンセルの場合など。セラピストが仕切るもの。クライアントの要望はあるが、基本的にセラピストが示す。暗黙で提示される治療枠組みもある。セラピストは生育史や家族構造などを聴く。しかしセラピストが自分のプライベートを殆ど伝えることはない。セラピストが自分の色を出さないことによりイメージを投げかけ取り上げていくのが有効。結婚しているのですか?気になるのですか?何故そのものを知りたくなったのですか?などの問いかけを工夫する。コミュニケーションの構造。問いかけて答える。人間関係はとても変。一方的なもので一般の人間関係なら破綻する。セラピストの勝負所。ラポール。催眠術師と患者との身体の内側の生命の動きが共鳴しあい交流する。互いの交流関係。催眠治療の前提として位置づけられる。仏語や英語にも。心理療法の中で共同作業を展開していくための必要な関係性。一番下で支える。ラポールをつける。相当なトレーニングが必要。ラポールの付け方はトレーニングを。熟練者の場合、座った時の姿勢だけでも生まれる。身体の根本からの。会話のリズムやテンポ、つながりを温かく。ノンバーバルなものと同時に言葉の上でも。相槌や共感的応答を。心構えという面でも。ロジャーズの3原則。ラポールに支えられた共感的人間関係。会話のルールであったり。意味がある、大事にしてもらえる。面接の初期だけでなくずっと支えて展開する力。ランバートの研究など。丁寧に理解する知的な営み。
心理療法の過程が展開。転移。もともとは移し替える、という意味。transfer。何を移し替えるか。自分にとり大切な人間関係をセラピストの人間関係に写す。私の理解者だと。自分が生きていく上で重要な他者に。子どもが親の存在が必要不可欠。親との関係が写しかえる。肯定的な関係を。逆に言えば、他の人はわかってもらえない。セラピストへの依存。心理療法の失敗。最終的な目標はセラピストは自分が死ぬことを考えておかなければならない。居なく成ることが1つの目標。転移を介した心理療法。心の内側に。それが自分の中に生じる気持ちであることに気づく。様々な工夫が。時間を区切るなどの1つの契約関係。終わるかもしれない関係、その制限があるからこそ関係を心の内側に。セラピストと合わない時間も大切。関係がない時間。その中で居ない時の自分に。転移を受け付ける。どんなにセラピストが深い感情が動いても、安易に現実の関係にしないであくまで心の問題に。クライアントが感情に揺れていることも共感しないで一定の静かさを。一緒に喜んだりしない。かなり冷静に聞いていく。物足りないかもしれないけれど。二人の間で喜びについての想いを心のなかに。引き戻す。セラピストは自分を知ってくれている、という関係は崩れ去る。他者である限り誤解は生じうる。幻滅したり腹が立ったり負の感情が。それまでのポジティブなものの上に。陰性転移。陽性転移。この2つが実際は入り交じる。負の感情も人生の他者との関係から生じる。応答してくれなかったりする。セラピストとの関係に写しかえられる。大切な人との関係のパターンを。なかなか収まりがつかない。セラピストへの攻撃。揚げ足を取るかのように。理不尽と思うこともあるが、多くの場合は痛いところを。セラピストも戸惑ったり。ダメージを受けないようなふりをしていてもそのことを謗られる。大切なのは如何に怒りや攻撃を受けても破壊されないこと、そのままの存在で。クライアントとの信頼を。どんなふうに?陰性転移の中の。相当の迫力。感情の再活性化。陰性の逆転移。逆転移が生じるのは必然だが、クライアントへの怒りや自己愛が未熟と気づいたり。自分の弱いところを、根源に関わるような。それをマネージメントするのが重要。1人ではできない。心理療法の仲間や先輩との関係。スーパービジョンや研究会。セラピスト自身が面接を受ける。どんなふうに動いているかを把握し出来る限り解消する。トレーニングが大切。陰性転移が。普通の人間関係なら壊れるが、壊れないように。人間関係が崩れたらクライアントも傷づく。覚悟が根本のところで必要。
転移と逆転移の関係を見抜く。互いが破壊されないように。人生最創始のドラマを。無意識。心の奥?そもそも私の外部にあると。フロイトが発見。失策や症状、私という者の外側にある。無意識の接近法。アイスバーグセオリー。99%は水の下。一瞬一緒に働く。無意識の動き。間にある第三のもの。力動的心理療法。二者心理学。心の中にある心理学から間での展開に着目。更に三者心理学を。出会い二人が別々の居たときには生じなかったものが。相手を前にして座った時。相手の姿勢により変化する。二人のときに相互作用の場が。主体をおいて、両端の。第三の存在の。ビヨンなどが提唱。エナクトメント。双方がある役割を。行為に置き換える。面接の中で思わず言ってしまったことが重要。第三のものが演じる。領収書の名前を間違える。セラピストが面接を忘れたり。エナクトメント。アメリカやイギリスで。ドイツでもエナクトメントを通して関係性を。エナクトメントされるもの。微細でノンバーバルな。うっかりを通して。生じたことを双方が眼差しを向けて考える。その間で動く無意識の声を聴く。エナクトメントは精神分析の発達で。ユング派においても似たような。集合的無意識や元型。役割を演じさせられている。コンステレーション。共に耳を傾ける。眼差しが。関係性を考える。

 

臨床心理面接特論I: 心理支援に関する理論と実践 (放送大学大学院教材)

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