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心理療法の面接と記録(臨床心理面接特論(1)第13回)

人と関わる時でも妥当する考え方だと感じる。

 

大場登。心理療法の面接と記録。面接記録の必要性。いつ書くのか、保管。
実際の個々の面接記録。クライエントによっては殆どメモを取らない場合もある。妨害的に感じる場合は控える。時系列上の事実についてはかなりメモを。事実関係については記録を書くときに楽。フロイトの自由連想法と関わる。セラピストの負担が大きいことは減らす。邪魔にならない限り。セラピストの負担を減らすことは日本人の倫理観からすればあまり受け入れられていない。楽をすることに抵抗があるセラピストは結構居る。フロイトが1日8時間も患者の前に居るのはくたびれる。自由連想法のきっかけに。楽をすると余裕ができる、心身ともにリラックスできる。最重要な姿勢が生まれる。語ることを全て細大漏らさず記録することを言っているのではない。集中しすぎる。同等に向けられる漂うような注意の在り方と異なる。メモをとることが直感的に感覚的に不味いのなら取らないことも。セラピストに注文を。メモを取らないことに従うことも従わないことも。もちろん一切止める場合も。殆ど逐語録のようなメモを。耳を傾けてもらえない、ということはない。逐語録を書くことで漂うような注意の在り方になっていることも。逐語録的メモへの集中が語ることなどの注意の在り方になっていることも有り得る。独自のメモのとり方を。教科書はない。夢の記録をもらって話を聴くことが多い。夢の記録にメモをとっている。多くのクライエントは夢を書いてもらっている。クライエントに夢を書いてもらうことで関心を払ってもらう。面接という時間を書き取る時間にする勿体ないことをしない。クライエントに書いてもらったほうが、最近はパソコンで書いてプリントアウト。楽をする姿勢で。リラックスした在り方で緊張状態から弛緩した在り方となり思いつきに開かれることに。
面接記録のセキュリティ。機関施設で保管されることが多いが、担当セラピストが持ち出しをすることが少なからずある。担当者に委ねられていることが。リスクが。個人記録の対応が個人レベルに。リスクに必ずしも充分に意識されていない。ファイルを何処に保管するか、誰がアクセスできるか、セキュリティは?伝統ある機関でも、クリニックなどはルーズであることも。05年の個人情報保護法。臨床者が意識するきっかけに。もし関連機関との調整で持ち出すことの危険性。人間だから何らかの拍子に紛失などすることが。アメリカ大統領の有事のバックアップ。面接記録は当該のクライエントの視点から見れば重要性について甲乙付けがたい。大統領より重要かもしれない。万一紛失という事態になった場合、個人が特定されないことは最低限保障される必要がある。個人情報は一切載せないシステムを。機関内に保管している場合も盗難等を考えるべき。心理職がパソコンに入力してデータの形で。当然ながら個人情報は入れない。パスワードの設定をしてウイルスへの配慮を。外付けハードディスクをどのようなセキュリティで保管するか。便利に成るのはリスクと裏腹。USBメモリ、紛失の可能性も大。バックアップ保存方法として避けるべき。
面接記録にどのような内容を?連想を膨らまして。臨床の記録では?8つの点について記録を楽しむヒントとして。面接時間。器がどのように守られたか。早めに来室など。ときにはクライエントが起こって帰ってしまった。トイレに行った。内容の関連で検討すべきポイント。5分の遅刻が数回続いた。仮説を作り俎上に載せることが必要。クライエントの雰囲気、服装など。髪型の変化。カジュアルに。セラピストの顔を見て話すようになど。語る内容。セラピストの視点や読み、レンブラント光線が。逐語録のように膨大に。意識的に検討するのならよいが、そうでない場合は取捨選択が行われていないと。何処がテーマが?それがない場合の視点が欠けている。セラピストの視点で。異なる点を指摘すれば視線の修正をすれば良い。のっぺらぼうではいけない。自らの視点で仮説を設定する。クライエントの語る大切な内容はクライエントの言葉で。直接話法でそのまま記録する。見直し作業に大切な意味を。何回か前のセッションで言葉を使うと受け入れられやすい。クライエントの語ったことだけでなく、セラピストの言葉も。セラピストが何処に居るか。クライエントだけでなくセラピストの2人で成立する。どのような語りかけや印象は殆ど半分を占めても良い。心理療法のセッションでひたすら耳を傾けている?確かに心理療法で基本中の基本だが、どのように読み問いかけ語りかけをしたのかの。セラピストがそのセッションでの感情など、逆転移。基本的には面接記録はセラピストが。今後を納得できる形で。自分の気持ちはネガティブでも大胆に記載するのが大切。感情こそクライエント自身がまだ意識化出来ないことも多い。逆転移。クライエントは様々な語られていることが真実を表現しているとは限らない。殆ど語ること無く椅子にこしかけたままの。セラピストの連想など。クライエントの心身の響きであることがかなりある。クライエントは極めて日常的なことを、黙って座っている。セラピストの中に怒りを感じることもある。セラピストも否定的なことを感じるのは難しいかも。理解しなければ受容的に接しなければなどの「べき」が支配的に。かなりのセッションで継続すると自らの中の怒りのやり場に困る。幾ら心理療法と言っても伝えることが無いのなら来る必要はない?怒りをぶつけてしまうと殆どの場合中断する。実はクライエントの心にあるのはこの怒りかも。読みを伝える必要はないが内心でイライラするのではなく、怒りはどのように関連するかを時間をかけて取り組む。一見してつまらない話や沈黙の背後に怒りを感じられるようになる。怒りを受け入れられるようになる。問いかけ語りかけをすることもできる。初めに怒りを感じたのはセラピストであっても、それはクライエントにあるものかもしれない。科学的に立証が難しいが。他者であるセラピストが感じる。心理療法の経験的にはありうる。クライエントが肝心のことを語らず意味がないような内容を話す。かつて父母や近親者などキーパーソンの仕打ちを受けてきた?反復的に。攻撃者との同一化。攻撃してきた人物に同化した行動パターンを。セラピストに1種の攻撃無視拒否。自分の近くで経験している?心理的に問題がある母親を持っていた人が、反動現象で極端に性格が逆だったり母親とそっくりの母親に成ることは日常生活で良く観察される。虐待の連鎖。クライエントが受けていたのと同じ攻撃などをセラピストが。クライエントの心のなかには怒りの蓄積を。セラピストの方は怒りを意識できる。無意識的伝達。原因に関わらず怒りが強烈にありクライエントは意識していない。言語のレベルでは無いような。クライエントの語る言葉に自らの心身に耳を。感情などが言語的に表現されなくても超感覚的に相手に伝わる。科学的に観察されていることで言えば、幼児に養育者の感情は伝わっている。身体レベルで受け止めている。意識水準の低下する状況では漂うような注意の在り方について。クライエントの意識しない感情はなんとなく正確に感知される。器の中では日常生活のレベルが低下。体感的知覚が活性化。セラピストが体感的に感じる違和感、様々な感情、無意識的動き。セラピストという楽器が奏でる音色。自身のいろいろな感覚を素直に受け止める。自らの楽器の音に開かれる。プラスの感情だけが表現されるのならそれは真実ではない。公的機関での情報の公開の動き、ネガティブな感情の記録が無ければ心理療法は死んでしまう。関係者に理解してもらう。セッションごとに様々な読みの可能性を。取り組みの深化をしていく。有能なセラピストの面接記録はあっさりしたもので良い?面接自体にエネルギーを。記録作業を通して関係が生き生きとしたものとして。記録作業を通すのは1つの在り方。専ら対話するセラピストも。資料一切なしで取り組む人も。その人の個性。夢といえばクライエントだけではなくセラピストの夢は大切な資料。講座の中の「心理療法と個性」。河合隼雄の編集。夢を素材に2つの個性を。一つ一つのケースと向き合い、無意識の表現と取り組む。絵に描いてみたりするのも。それぞれのやり方でプロセスに浸かり少しずつ見えていくものを捉える。面接の記録は格好の機会。

 

臨床心理面接特論I: 心理支援に関する理論と実践 (放送大学大学院教材)

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ユングの「ペルソナ」再考―心理療法学的接近 (心理臨床学モノグラフ)

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  • 作者:大場 登
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  • メディア: 単行本