ーーーー講義録始めーーーー
それでは、平面図などを見ながらリトルワールドの展示を確認していきましょう。こちらが本館1階の平面図です。
5つの展示室があり、それぞれ以下のように配置されています。それでは、第1室「進化の展示室」から、平面図と完成予想図(パース)を使って見ていきます。
左側の図が各展示室に解説用として設置されている平面図と同じものです。右側の図は、構想段階で展示のイメージを掴むために作成された完成予想図です。
観覧者は以下の順路で移動します。「原人」→「旧人」→「新人」→「新人の芸術」といった流れで進みます。このように、動線、つまり観覧者の移動経路が順路として決められた強制動線を採用しています。
次に、第2室「技術の展示室」の内容を図で確認していきましょう。これが第2室の平面図(左)とパース(右)です。
平面図の下部には、「衣食住」の展示コーナーがあります。中央には「運搬」のコーナー、そして周囲には「狩猟・採集」「牧畜」「農耕」のコーナーが配置されています。
第1室と大きく異なる点は、この展示室では動線が自由動線であることです。観覧者はどの順番で展示を見ても構わず、自由に見学できる設計となっています。
一方、第1室「進化の展示室」では、進化の過程を理解してもらう必要があるため、原人から新人まで順序通りに観覧することが求められ、強制動線が採用されていました。しかし、第2室「技術の展示室」では、テーマが技術であるため、どの展示から見始めても構わない自由な動線が採用されています。また、全体が見渡せるレイアウトとなっています。
それでは、第2室の実際の展示をご紹介します。この展示室のテーマは「技術」です。展示内容としては、世界各地の民族が行っている「狩猟」「採集」「牧畜」「農耕」などの伝統的な技術や道具が含まれています。
例えば、「運搬用のカヌー」や「イヌイットの船」などが展示されています。このように、第2室では世界の多様な技術の歴史や文化に触れることができます。