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科学とアート、どちらも巨人の肩に!(知財制度論第3回その11) #放送大学講義録

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一方、科学的発見は、先人の研究の成果の上に立って、より遠くまで展望できたと言えます。
例えば、アインシュタインは、ニュートンの言葉「私がデカルトより多く見えたのは、巨人たちの肩に乗ったからである」を引用しています。
これは、学問と同様に、多くの技術はほんのわずかな新しい発明に基づいているという考えに関連します。
すなわち、オリジナリティは先人のオリジナリティと階層的に関連しています。
また、多重発見とは、両者に違いがある場合でも、語義的な重なり合いがあり、それを一つの一致する考えに変形できるということです。
これは、発見や発明が社会環境と相関関係を持っていると言えます。
コンピューターソフトウェアを例に考えると、ハッカーのような個々のプログラマーによって、瞬時にプログラミングされることもあります。
また、多くのモジュールを組み合わせてアンサンブルとしてシステムが設計されることもあります。
現実世界では、対称性のある結晶と、ランダムな形状を持つアモルファスなど、異なる状態の固体物質が確認されています。
特に注目すべきは、第三の高い規則性を持つ固体物質    として発見された準結晶です。この詳細については、印刷教材第3章の図2を参照してください。
準結晶の発見はダニエル・シェヒトマンによって行われましたが、ロジャー・ペンローズの数学理論によって既に導出されていたモザイクパターンと共通点があります。
さらに、そのモザイクはギリーと呼ばれる中世イスラム建築の幾何学模様であり、白黒のサッカーボールの網目模様として既に存在していました。そのような関係性には合理的な説明が難しいかもしれません。