-----講義録始め-----
今回は知財制度論の第3回の講義です。第2回知的創造の資源では、知的創造と先人たちが残した有形無形の物事である遺産などとの関連について説明しました。
その知的創造の資源が、知的創造をどのように発現し、つながっていくかを見ていくことにします。
知的創造はオリジナリティが求められます。一方、そのオリジナリティは模倣を伴うことがあります。
それを言い換えれば、オリジナリティと模倣との関係は芸術の起点にさえなると言えるでしょう。
浮世絵が西洋の遠近法を用い、その絵に影響される形で、モネなど印象派の画風が影響を受けるといったようなことがあります。
また、知的創造は先人の肩に乗って先を見通すという見方があります。
アインシュタインの相対性理論は全くゼロから生み出されたものなのか、それとも先人の研究の成果の上に成り立っているものなのか、という疑問があります。
その観点から、第3回の知財制度論では、芸術的創造と科学的発見との関連から、知的創造について考えることにします。