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螺旋の知的創造!オリジナルから二次創作まで🌀(知財制度論第3回その3) #放送大学講義録

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それでは、知的創造はどのようなものか。知的創造の構造について考えてみましょう。
知的創造には、先のゴッホの例のように、一般的には模倣を伴うと言ってもよいでしょう。
そのオリジナリティと模倣との関係は次のようにモデル化できると思います。通時的には、一般に認識されているような直線的に進展していくというよりも、螺旋的運動に例えることができると思います。
ただし、螺旋的運動が規則性を有すると言っても、全く同一のものに回帰するようなものではなく、一種のズレが存在します。それは、概念的には入れ子の関係、いわゆるネスティングになっています。
知的創造の構造は、オリジナルと模倣は一次創作と二次創作の繰り返しとして表現できるでしょう。
知的財産権でよくオリジナルが議論されますが、人がやっていないことすべてがオリジナリティを持つというわけではありません。
オリジナリティが認められるためには、オリジナルかつ重要度が高いもので、より一般性のある法則の発見があることが前提になります。その尺度は、著作物性の要件であり、特許発明を受けるための要件である新規性、ノベル発明の進歩性、インセンティブステップ、すなわち自明のものではないもの、ノンオブビアスの判断基準になると言えます。