F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

イミテーションの力:芸術と創造の秘訣 (知財制度論第3回その7) #放送大学講義録

データベースという概念が鍵になるのだろう。

 

------講義録始め-------

 

第2の視点がイミテーションです。アダム・スミスは芸術論で、芸術の本質はイミテーションであると説いています。
イミテーションは、浮世絵師が遠近法、パースペクティブを模倣し、印象派画家が浮世絵の構造を模倣したように、芸術的創造を培っていくための常用手段と言ってよいでしょう。
そして、知的創造の構造は、オリジナルが模倣によって派生物(デリバティブワークス)となり、その派生物は新たなオリジナルに取り込まれていくプロセス上で表現されるものになります。
例えば、作曲というプロセスを考える際、既存の楽曲やデータ、情報、知識がシリアルに記憶されているデータベースからランダムにアクセスされ、その知識ネットワークを用いて自己再生産を繰り返す循環プロセスによって、オリジナル曲が発現するというものです。
このように、芸術的な創作活動にはイミテーションが前提条件になっています。