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知的創造の全て!? インスピレーションから著作権まで(知財制度論第3回その2) #放送大学講義録

知的創造とは、思想または感情を創作的に表現したもの、自然法則を利用した技術的思想の創作、物品の形状、模様もしくは色彩、またはこれらの結合であって、刺激を通じて感情を起こさせるものといった定義があります。
しかし、それらは、知的創造された後のストック、いわゆるある一時点に存在する経済数量であり、知的創造のプロセスは、一定期間に生産され流動する経済数量とは異なる性質を持っています。
知的創造には、発見、発明に対するインスピレーション、セレンディピティ、暗黙知といった捉え方があります。
他方で、知的創造でも、先人の肩に乗って先を見通すという見方も存在します。つまり、先人の研究の成果の蓄積の上に新たな創造がなされるといったケースがあります。

どちらが適切な見方といってよいかという問題ではなく、そこには知的創造の構造としてオリジナルと模倣との関係があるのではないかと思います。
知的創造は、芸術的創造と科学的発見に関係します。その知的創造は、いずれにしても知財制度との接点で、著作権と使用権に求められるでしょう。後ほど紹介しますが、著作権と使用権は、知的創造サイクルの保護システムの起点となって知財制度へ展開していくことになります。