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心理療法の器(2)(臨床心理面接特論(1)第4回)

内と外とのバランスが大事なのは心理療法に限らず日頃のコミュニケーションにおいても必要だと感じた。

 

日常的な空間と時間との差。非日常的な自由にして保護された空間。クライアントに対する深い理解を。自由を保障するために。ただ巻き込まれるのではなく。原初的な不安を受け止め包み隠して。器としてのセラピスト。
クライアントの自己治癒力。セラピストの役割との関係。心理療法の根本はクライアント頼っている。山中康裕。医学における治療と医師の役割との比較。近代医学。症状を訴えると病因を弱体化して治癒に至る。基底においては回復傾向、免疫力が前提だが、伝染病の克服、キニーネによりマラリアの克服。援助の中で治癒するというより治癒させるというモデル。患者の個性を超えて高い普遍性を。医師と患者の関係。受動的で従順であることが。東洋医学。もっと患者の全体が大切になる。鍼治療。体全体が刺激されて健康に向かうというモデル。西洋医学においても患者の意思の尊重が。リハビリ治療。患者自身の意思が大切。患者中心リハビリテーションの概念が導入。生活習慣病。患者が習慣を修正。看護の世界。疾病を中心にするのではなく患者をケアするのが大切。治療中心でなく患者中心の看護哲学。医学の世界においても医師患者関係の力関係も相対的に。人の持つ健康への傾向。治療者を求めるが、同時に自分の中にいる治療者が。心理療法においても医学と同様な心理治療が期待されることがある。大変多い頻度で期待される。クライアントが問題を訴え原因を明らかにして助言忠告指導により原因を除去する役割が期待される。人の心は個性的。アセスメントして助言指導により解決するというのは問題が軽い場合。耳を傾ける。心理療法においてセラピストは人間の意識の支配を超えた、生き方を見出す。健康に向かう力、内的治療者に依存。より自律的な関係が。心の奥に歩むのを恐れて、心理療法から距離を持つクライエントも。心理療法においては嫌悪などの否定的な感情にも耳を傾け続ける態度によって自由にして保護された空間を。無意識の領域に存在する自己治癒力が働く。自己実現傾向が最大限に。心理療法の器であるということ。セラピストはクライエントを深く理解しないと心理療法は進展しない。意識の統制力を弱めて内面に。自由連想法、夢分析、描画法、遊戯法を。
方法としてのセラピストの人物。医師には期待しない不安を持つ。私的な事情、否定的な感情を話せるだろうか、社会でタブーとされ秘密にしていたことを受け入れてもらえるか、中断しないか、人物としてのセラピストが問題。近い関係の人にしか語られないことを。専門家としてのセラピストの専門家としての信頼。心理的距離を近く。そうでありながら面接室などの前提、治療的枠組み、器により守られる。大場登。自分自身の心をレトルトの中に入れて身を晒す。非個人的な技能だけでなく。セラピストの人物が方法であるとユングが。セラピストの個人から体現。人物。人格という言葉があまりに道徳的価値を。心理療法においてマニュアルの作成はある程度可能?ほぼ不可能。同じ言葉でも治療の展開は異なる。容易にクライアントに見抜かれる。自分自身が分析を受けたりスーパービジョンを。ヨーロッパに於いても共通の資格を。スーパービジョンと自己体験が柱に。教育分析や瞑想などを含めた自己体験。体得する過程が。医学における訓練と異なる。
メディケーション、瞑想。瞑想の時間について。人物として生きた知識が必要。それに加え瞑想時間について。箱庭療法。毎日瞑想の時間を。玄関の右側に瞑想室が。座禅をして瞑想を。臨床家の姿勢の中で大切。自分の中の混乱を沈むる。メディケーションの時間を。どういう意味を持つか?自己への内面的理解。日常空間から治療空間に行くため。心理療法家を目指す人はいろんな症例を見て力をつける知識技術を身につけるために。
鏡、ミラーとしてのセラピスト。鏡という概念は色々な学派で。クライエント中心療法。クライエントが話すことを解釈するのではなく、鏡に。非支持的療法。反映。オウム返しに。反映技法。わかりやすい。セラピストの主観を入れずにクライエントの主観を受容。くらいえんとが母親の悪口を。一生懸命聞いて繰り返す。お仕事ばかりの人ん見えたのですね。繰り返すと色々思い出すことがあって話し出す。クライエントが話を聞いて鏡の役割をすることで生じる。一人で考えるのではなく。転移の話。セラピストの鏡として自らの心情を移す、転移という概念で理論化。攻撃的感情を展開。同じパターンでセラピストに向けられる、治療として扱われる。客観的に冷たいのではなく、主観的に冷たさを感じやすい。主観的なものが映し出されて言語化され対象化され具体化される。器としてのセラピストは鏡の役割としても存在。器と鏡。治療関係。鏡になるだけでなく、治療構造もまた鏡になることが。フロイト派でよく言われるが、より深いことや突っ込んだことを話さないといういけないという躊躇い。様々な葛藤として表現される。時間や頻度が足りないと感じたり、料金が高いことなどに表現される。主観性が現れる。治療構造。時間空間の枠も鏡の役割を。
心理療法の器としてのセラピスト。錬金術。客観的視点。密室の中で。ユングは錬金術に。錬金術師は物質の変更に投影。完全に密封。語られたことは秘密を。秘密の保持ができるかどうかはプロかどうかの物差しの1つ。消化できないことを。嘔吐したりして外部に排除。理解できないことや納得できない消化できない、容易に外に出してしまう。ヘルメスの器。客観的視点。面接状況において分析的第三者の存在が常に必要。弁証法的過程。事例の内側に居ると、それだけ夢をよく理解できる。しかし近づきすぎると、逆転移をすると、ともに無意識に。片足を内に、もう片足を外に。心理療法は鏡であることが必要だが、ちゃんと写すためには内だけでは足りない。クライエントの内面だけでなく自らの内面にも開かれている必要が。

 

臨床心理面接特論〈1〉心理支援に関する理論と実践 (放送大学大学院教材)

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