F-nameのブログ

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誰も知らない?巨大空母「信濃」。

昨日のentryでは、旧海軍の巨大戦艦2隻(のドキュメンタリー)について書いた。

 

それで今日の朝にまたNHK-BSを眺めていると(しかし時間の浪費になりかねないが)、今度は巨大空母「信濃」についてのドキュメンタリー番組を放映していた。ひらがなではなく漢字なので旧海軍の話。しかも旧国名(現在の長野県)が冠されているので、元々は戦艦として建造されていた軍艦である。ところが建造中の1942年6月にミッドウェー海戦で空母4隻を喪失し、それが理由で戦艦から空母に改修が為されることに(もはや艦隊決戦の時代ではないのもあったのだろう)。横須賀の巨大ドックで第110号艦として建造されていたが「信濃」と命名されて10月5日に進水式が行なわれた。それからも建造工事が続けられていた(通常は完成するまで軍艦の場合は1年以上はかかるそうだ)が、横須賀に敵機が来襲するようになり、呉まで回航することになった。それで夜中に敵潜水艦からの魚雷4本が命中した。そもそも排水システムも最新鋭のものを備えているのだから、設計通りなら耐えられた筈である。ところが工事中だったので排水ハッチがケーブルで閉められなかったり仮に閉めても海水が漏れたり(通常は気密試験がクリアーされてから外洋に出るのだが時間敵余裕は無かった)で、結局は海の藻屑になってしまった。運も無かったのだろうが、そもそも回航すること自体が無謀なことであったと考える。

それにしても建造地の横須賀でも「信濃」を知らない方が殆どだとインタビューであったけど、旧乗組員の方々もあまり知られたくないと口々に話されていたのは衝撃的だった。米軍を利すると上層部は考えたのか、呉近くの島に1ヶ月近く生き残りの信濃の乗組員は幽閉されていて、箝口令が敷かれたという話である。