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多職種協働アプローチにより、心理職と医師がリアルタイムで患者対話を行い、安心感と効果的なフィードバックを提供。(保健医療心理学特論第3回)♯放送大学講義録

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この文章では、精神科医療における多職種協働アプローチの効果について明治大学子どものこころクリニックの院長先生と心理職の2人の経験を基に検討しています。

院長先生によると、以前のクリニックでの勤務経験では、心理検査の結果を患者やその家族に伝える際、直接患者と対話する機会はほとんどありませんでした。検査結果の報告書が届き、その内容を患者や家族に説明するのが主な役割でした。しかし、多くの患者がいたため、説明は表面的でしか行えず、詳細な情報提供や対話は限られていました。

現在のクリニックでは、医師、心理職、学生がチームを組み、患者とその家族を同時に診ることが常態化しています。このアプローチにより、治療に関する安心感が増し、スタッフ間での情報共有や協議が容易になっています。この結果、患者と家族への対応がより柔軟に、かつ具体的に行えるようになりました。

さらに、心理職の職員は、患者とその家族と直接関わることで、治療のフィードバックがリアルタイムで行え、それが治療プランの調整や改善につながっていると述べています。また、開放的な診療環境は患者と家族にとっても安心感を提供し、より積極的に治療に参加する動機付けにもなっています。

このような多職種協働アプローチは、患者本人だけでなく家族や治療スタッフ全体にとっても大きなメリットがあり、治療の質の向上に寄与していることが明らかになりました。このアプローチにより、スタッフは患者や家族からの即時のフィードバックを得られ、それが治療プロセス全体の改善に役立てられています。