F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

発達障害の理解と支援:自閉症スペクトラム障害の特徴と診断名(障害者・障害児心理学第12回)(放送大学講義録)

これから数回、発達障害をテーマとした放送大学の講義の書き起こしを展開する。

 

------講義録始め-----

 

第12回発達障害の理解と支援:自閉症スペクトラム障害について、担当の江藤です。よろしくお願いします。自閉症スペクトラム障害は、症状の重度差、併存する障害、知的障害やADHDや不安障害などの有無、発達段階などにより、実に多様な様子を見せる障害です。そのため、支援は様々なものを組み合わせた包括的なものになります。さらに、自閉症スペクトラム障害の場合、必要とされる支援は発達段階ごとに大きく変わります。ここでは、医療における診断、各発達段階の中で見られる様子、症状についての心理学的理解、効果的な介入についてお話ししたいと思います。

  1. 自閉症の診断名:自閉症は、1943年、レオ・カナーが初めて自閉症を報告しました。英語で "early infantile autism" と呼ばれますが、11の特徴を発表したことに始まります。長い間自閉症と呼ばれてきましたが、DSM-5では、DSM-IV-TRで広汎性発達障害(PDD)とされた障害を、このPDDの中の自閉性障害、アスペルガー障害、特定不能の広範性発達障害、そして児童期崩壊障害も含めて1つの疾患とみなすようになり、自閉症スペクトラム障害という診断名が採用されました。英語表記が Autism Spectrum Disorders であるため、頭文字を取りASDとも呼ばれます。