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自閉症スペクトラム障害の診断と評価にはADOS, ADI-R, CARS等の検査が用いられ、感覚処理異常の評価も重要です。(障害者・障害児心理学第12回)#放送大学講義録

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次に、自閉症スペクトラム障害の診断と判断のための検査についてお話しします。

自閉症スペクトラム障害の診断や疑いの判定、症状の把握のために使用される検査を紹介します。診断に用いられるものとして、まずADOS(Autism Diagnostic Observation Schedule)があります。ADOSは、言語と非言語コミュニケーション、相互的対人関係、遊び、創造力、情緒的行動と限定的興味、その他の異常行動の特徴的な側面の評価、DSMの診断基準に基づく自閉症スペクトラム障害の判定、自閉症スペクトラム障害の症状の程度の判定ができます。次にADI-R(Autism Diagnostic Interview-Revised)です。精神年齢が18か月以上であれば、幼児から成人まで幅広い年齢に対応しています。

DSM-IVの診断基準である相互的対人関係の質的異常、意思疎通の質的異常、限定的、反復的、情緒的行動様式に焦点が当てられ、自閉症スペクトラム障害の判定を行うことができます。CARS(Childhood Autism Rating Scale)もよく用いられます。

2歳以上の対象者に実施でき、言語水準などの機能レベルに関わらず評定できます。観察、面接、その他の資料に基づく包括的な情報を使用します。

スクリーニングに用いられるものとして、代表的なものはPARSです。自閉症スペクトラム障害の発達行動症状について、主要な養育者と面接し、その特性、症状の可能性と程度を評定します。対人コミュニケーション、こだわり、情緒、行動困難性、過敏性の評価を行うため、57項目から構成されています。

DSM-5から診断基準Bの1つの症状に感覚処理の障害が加えられました。このことから、感覚異常の判定の必要性が高まりました。そのために用いられるのは、SP(Sensory Profile)です。聴覚、視覚、触覚、平衡感覚などの感覚に関する125項目の質問票に保護者と本人が記入し、感覚特性を把握します。結果は、低登録、感覚探求、感覚過敏、感覚回避に分類できるようになっています。知的能力については、自閉症スペクトラム障害に特化された知能検査はありません。他の発達障害や知的障害と同じように、ウェクスラー知能検査や田中ビネ知能検査などが使われます。認知処理については、D-KEFS(Delis-Kaplan Executive Function System)やKABC(Kaufman Assessment Battery for Children)などが使用されます。言語能力の測定には、ITPA(Illinois Test of Psycholinguistic Abilities)などがあります。また、社会生活能力に関してはバインランド適応行動尺度が使用されます。特別支援学校では、知能検査が行えない子供に対しては、SM(Social Maturity Scale)社会生活能力検査を用いることもあります。