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セルフヘルプグループは、ピアの相互援助により精神障害者と家族のリカバリーとスティグマ克服を支援し、社会的支援ネットワークを形成します。(家族問題と家族支援第7回)#放送大学講義録

-----講義録始め-----

 

セルフヘルプグループは、専門家ではなく、同じ問題や状況を共有する個人同士が相互支援を行うグループです。精神障害者やその家族にとって、これらのグループは自尊心の回復、社会的孤立の克服、スティグマとの戦い、そしてリカバリーへの道を支援する重要な資源となります。グループ活動を通じて、メンバーは自身の経験や問題を共有し、互いの理解と支持を深めます。これにより、個々人は「自分だけではない」という認識を得て、孤独感からの脱却や集団内での社会的スキルの向上を図ります。

特に、精神障害者の家族にとって、セルフヘルプグループは自身の経験や感情を共有し、他の家族からの理解やサポートを得る場となります。このようなグループは、家族メンバーが経験するストレス、不安、孤立感を軽減し、精神障害という共通の課題に対処するための戦略や情報を交換する機会を提供します。

セルフヘルプグループのもう一つの重要な側面は、ヘルパーセラピー原則に基づいています。これは、他者を支援する行為が、支援を提供する人自身にも肯定的な影響を与えるという原則です。グループメンバーが他のメンバーを支援することで、自己効力感や自尊心を高め、自身のリカバリープロセスにも寄与します。

セルフヘルプグループは、参加者が自身の強みを発見し、個人的な成長と発展を促進する場でもあります。グループ内での相互作用は、メンバーに自己受容の機会を提供し、障害や困難に対する新たな視点やアプローチを探求するきっかけとなります。

結局、セルフヘルプグループは、専門家による介入に代わる、またはそれを補完する形で精神障害当事者やその家族に対するサポートとエンパワーメントの源泉となり得ます。これらのグループは、個人が自身の問題を乗り越え、リカバリーに向けた道を歩む上で、貴重な社会的支援ネットワークを形成します。