F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

物理学の「単位」と「次元」の違い(初歩からの物理第1回)#放送大学講義録

ーーー講義録始めーーーー

 

では、測定についての最後の話題として、「単位」と「次元」の違いを説明しておきます。例えば、1ミリメートル、1センチメートル、1メートルはそれぞれ単位が異なります。しかし、これらはすべて長さを表していますよね。

この証拠に、1ミリメートルと1センチメートルを足し合わせることで1メートルを表すことができます。このことを「これらはすべて長さの次元を持つ」と言います。この長さの次元を、記号でL(LengthのL)と表します。

同様に、1秒、1分、1時間も単位は異なりますが、すべて時間の次元を持ちます。時間はT(TimeのT)で表します。

また、1グラム、1キログラム、1トンも単位は違いますが、すべて共通の質量の次元を持っています。質量はM(MassのM)で表します。

次に、面積について見てみましょう。面積は、長さと長さを掛け算して求めます。たとえば、1平方メートルと言いますが、これはL×L、つまりの次元を持つと言えます。

さらに、速度についても同じです。速度は単位時間あたりの距離を表すので、距離を時間で割ったものです。このため、速度の次元はL/Tとなります。

このように、単位が異なるものと次元が異なるものを区別することが重要です。次元が違うもの同士は足し合わせることができません。たとえば、1メートルと1キログラムを足しても意味がないですよね。単位と次元の違いをしっかり区別することが、物理学では非常に大切です。