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力学と熱力学の基本原理を解説(初歩からの物理第1回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

さて、早速ですが、その「6つの原理」とはどのようなものなのか、ここで簡単にご紹介したいと思います。詳細には立ち入りませんが、ここに6つの図を描いています。まず、1つ目は「力が働くと加速度が発生する」という、これはいわゆる力学の基本原理ですね。

次に、この図です。容器の中に気体が閉じ込められています。今日の私たちは、空気が窒素と酸素の集まりであることを知っています。つまり、空気は原子という小さな粒子の集まりです。

この図では、気体を粒子の集まりとして描いています。この大量の粒子、つまり原子が集まって気体を構成しています。そして今、これをぎゅっと押し込んでいる様子が描かれています。このように「押し込む」という行為は仕事をすることを意味します。

さらに、例えばこの気体をバーナーで加熱する、つまりを加えることもできます。仕事も熱も、どちらもエネルギーの一種です。気体にエネルギーを与える方法には、仕事をするか熱を加えるかの2つがあります。これを「熱力学第一法則」と呼び、非常に重要な原理の1つです。

続いて、こちらには「エントロピー」と書かれていますが、自然界には自発的に進行するプロセスがたくさんありますよね。例えば、部屋の右側が空いていて、左側が混雑している状態で、真ん中に穴を開けると、混雑している方から空いている方へ物質が移動していきますよね。そして、この逆の現象、つまり一度広がった物質が再び元の場所に集まるという現象は起きません。

このように自発的に進行する現象を支配するのが、エントロピーという考え方です。閉ざされたシステムの内部では、エントロピーが増える方向に変化が進みます。物理の言葉で言えば、エントロピーが増えることで乱雑さが増し、システムがより多くの可能性を求めて変化していくという傾向を示します。これが「熱力学第二法則」に関係している現象です。