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睡眠ポリグラフ記録は脳波、眼球運動、筋活動を含む多面的データで睡眠段階を分類。ポリグラフ検査との違いを解説(睡眠と健康第4回)#放送大学講義録

ポリグラフ検査は一度は受けてみたい。

 

------講義録始め------

 

このように、睡眠中に複数のデータを同時に記録することを睡眠ポリグラフ記録と呼びます。 ポリグラフと聞くと、嘘発見器を想像する方もいるかもしれません。

事件の被疑者を取り調べる際に使用されるポリグラフ検査は、私たちが緊張すると手のひらに汗をかくという原理を利用しています。汗をかいている時、汗腺の活動が活発になっています。この時、手のひらに微弱な電気変化が生じます。

そこで、手のひらに電極を貼り付けてこの電気変化を調べることで、被疑者がどれくらい緊張しているかを測定します。被疑者に様々な質問をし、どの質問に対して緊張し汗腺活動が高まったかを明らかにします。ただし、汗腺活動は息を止めただけでも高まりますので、汗腺活動だけを測定していると、質問に対して緊張して高まったのか、それとも他の要因で高まったのかを区別することは難しいです。そこで、汗腺活動以外にも、呼吸や脈拍も同時に測定することで、汗腺活動に影響する様々な要因を区別します。

このように複数のものを同時に記録することをポリグラフと呼びます。ポリは「複数」という意味で、グラフは「図」です。もし汗腺活動だけを測定する場合は、1つの図しか記録しないことになりますので、この場合は「単数」という意味の「モノグラフ」となります。

さて、睡眠中には脳波、眼球運動、抗重力筋の活動など複数のデータを同時に記録しますので、これを睡眠ポリグラフ記録と呼びます。印刷教材の図4の2をご覧ください。この図は、睡眠ポリグラフ記録を行う際に電極を張り付ける場所を示しています。この睡眠ポリグラフ記録を用いて、睡眠の深さを分類します。このように分類された睡眠の深さを「睡眠段階」と呼びます。ちなみに、事件の被疑者を取り調べる方法として用いられるポリグラフ検査は、被疑者の同意が必要です。被疑者が強制的に検査されることはありませんので、誤解がないようお願いします。