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レム睡眠は「急速眼球運動」から名付けられ、夢見睡眠とも呼ばれる。脳波が浅いが目覚めにくい逆説睡眠の特性を持つ。(睡眠と健康第4回その4)#放送大学講義録

レム睡眠は不可思議なものであると思う。

 

------講義録始め------

 

皆さんは、「レム睡眠」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。レム睡眠はなぜこの名前で呼ばれているかご存知ですか?レム睡眠中は夢を見ることが多く、そのため夢見睡眠とも呼ばれ、古くから注目されています。夢を見ている間は、眠っているにもかかわらず、目が頻繁に動きます。

睡眠中に目が速く動くことから、この目の動きを英語で「Rapid Eye Movement」と呼びます。「Rapid」は「速い」、「Eye」は「眼」、「Movement」は「動き」という意味ですので、日本語では「急速眼球運動」と呼ばれます。この「Rapid Eye Movement」の頭文字を取ると「REM」となり、これがレム睡眠の名前の由来です。

つまり、レムとは急速眼球運動のことです。睡眠中に急速眼球運動があるのがレム睡眠、ないのがノンレム睡眠です。 しかし、睡眠中の脳波を測定すると、問題が生じます。図4の1の上から3段目、まどろみ時の脳波とレム睡眠中の脳波は非常に似ていて、ほとんど区別がつきません。目の動きを記録することでまどろみとレム睡眠を区別できますが、脳波だけでは困難です。

脳波が似ているということは、どちらも一見浅い睡眠のように思えます。しかし、レム睡眠中は目が覚めにくく、音が鳴ってもほとんど反応しません。この目の覚めにくさは、デルタ波が出る深い睡眠時とほぼ同じです。このように、レム睡眠は脳波から見ると浅い睡眠のようですが、実際にはそうではありません。このため、レム睡眠を逆説睡眠と呼ぶ研究者もいます。

実際、睡眠について書かれた本では、レム睡眠の代わりに逆説睡眠という表現を使うこともあります。例えば、フクロウなどは睡眠中に目が動かないため、レム睡眠はありません。しかし、これらの動物にも人間のレム睡眠に似た状態があります。そのため、これらの動物ではレム睡眠とは呼ばずに逆説睡眠と呼ぶのです。