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科学の裏側!知的創造の真実🔬🧠(知財制度論第3回その13) #放送大学講義録

-----講義録始め------

 

ところで、ノーベル化学賞受賞者の白川博士と田中博士は、実験の失敗が新物質の発見につながったと述べています。
これは、多数の失敗の中で想定外の失敗があり、その際にインスピレーションが関与することもあると言えます。
科学的考えによれば、どの法則も不完全で暫定的なものであり、それが普遍の法則となる場合もあり、そこから普遍的調和が生まれることがあると言えます。
1964年に提出された対称性の破れを説明する連絡理論は、ノーベル物理学賞を受賞した南部氏の対称性の自発的破れが原型です。この仮説を裏付けるヒッグス粒子の発見は素粒子物理学の大きな課題となっており、スイスの大型ハドロン衝突型加速器を用いて素粒子同士を衝突させ、ヒッグス粒子を検出する計画が進められています。
いずれにしても、科学的発見の論証は、帰納法と演繹法、類推の発想に基づく必要があります。
人間の探求過程は、未知の問題や驚くべき事実に遭遇した際に、その問題を説明する仮説を発見し、合理的な機能を推論し、演繹し、そして導出される危険を継承するという過程で形成されるとの見方があります。
そうすると、知的創造は、与えられた不完全なデータや情報から、失われた意味を再発見していく過程と言えます。
さらに、それらは、21世紀に新しい科学理論が誕生しない限り、20世紀の科学理論である一般相対性理論、特殊相対性理論、不確定性原理、不完全性定理に依存することになります。
相対性理論はユークリッド幾何ではなく、非ユークリッド幾何で理解され、リアルパート(実数)だけでなく、イマジナリーパート(虚数)も考慮されます。
不確定性原理は、光が粒子か波かではなく、粒子でも波でもあるとされ、0か1かではなく、0でも1でもあるとされます。
不完全性定理は、完全無欠に見える数学理論にも、真とも偽とも決められない命題や説明も反証もできない命題が含まれているとする第一不完全性原理と、数学理論が自らの理論体系が完璧に正しいと証明することは不可能であるとする第二不完全性原理があります。
さらに、知的創造を受容するための社会的な環境も必要です。
気を取り直して先に進みましょう。