F-nameのブログ

はてなダイアリーから移行し、更に独自ドメイン化しました。

近代哲学の確立(18~19世紀前半)(哲学・思想を今考える第5回)

カントとヘーゲルは読もうと思いながら読めていない。

 

魚住孝至。近代哲学の確立。18世紀19世紀前半。科学革命。ヨーロッパ各地で啓蒙主義が。18世紀後半に産業革命と市民革命。全世界に大きな変動を。ドイツでは哲学上の観念論理想主義が。カントが統合して批判哲学を。19世紀にはフィヒテやヘーゲルがドイツ観念論を。18世紀は近代文明がヨーロッパを変革して確立。
啓蒙主義の展開。啓蒙とは蒙昧な状態を教え導く。伝統的なものに理性を投げかける。カントは「啓蒙とはなにか」。自己の精神を用いる。自らの未成熟な状態からの脱却。各自が公に理性を。ロックは生得観念を否定してタブラ・ラサであり経験することで観念が。「人間知性論」。自然現象の観察。ダランベール。哲学の時代。先入観を捨てる。自然科学などの発展。世界の真の仕組みの解明。科学の原則から宗教の基本原理まで音楽から道徳まであらゆるものが議論し分析。ディドロと共に百科全書を。1751年から始まる。本文17巻。科学的合理主義の。古代よりも近代が優れており人類は進化する。啓蒙主義。ベンサム。経験論で懐疑主義のヒューム。アダム・スミス。刑法の改革。ベッカリーア。ドイツではカントが。
カントの批判哲学。1724年にバルト海のケーニヒスベルクで産まれる。経験主義の教えの中で。フリードリヒ大王の。形而上学を学ぶ。ニュートン物理学を知る。32歳の著作。1755年。ニュートンの原理を拡張的に適用してカントラプラスの学説を。世界を機械論的に。神の作品として。ヒュームにより独断のまどろみを破られる。因果関係も習慣により形成される。カントにとり自然科学の普遍性が如何に獲得されるかを。ルソーにより素朴な。人間の問題へと。世界が機械論なら神の存在意義は?自然科学の普遍性と神の両立を。「純粋理性批判」。純粋理性批判の元来の問題はアンチノミーをめぐる。論理的にも事実的にも同等の根拠を。矛盾する二律背反。後半で超越論的弁証論に4つのアンチノミーが。世界には自由による因果性が。2つのテーゼは実証するが矛盾する。二律背反を解決するために時間空間の中での認識に対し自由による因果性が時間空間を超越する。枠組みではないかと。経験論は経験により認識が。それではヒュームのように主観になり普遍性にならない。普遍的な認識を持てるのは外部から与えられるのではなく人間が構成して認識しておりそれが普遍的。先験的。悟性のカテゴリー。超越論的次元を考える。外部の対象を自動的に移すのではなく人間が予め構成している。180度逆転。コペルニクス的展開。超越論的理論によれば時間空間で認識されるものは現象界に。世界の全ては自然必然的なテーゼ。神や自由に関しては時間空間の枠組みを超えたもの。時間空間に基づく機械論では論じられない。知識を使用しなければならない。無神論が主張されそうな中で。明確に否定する意図。人間の自由は時間空間を越えているので論じられない。行為しようとするときには自由が要請される。実践理性では自由で人間の自律的な行為が可能に。「実践理論批判」。道徳法則により。汝の意志の確立。打倒するように。定言命法。行為できることを証明。人間は因果律の中にあるが道徳法則に尊敬を持って自ら。実践理性により自由は普遍的に存立するのであれば自律的人格として扱う。人間性を目的として使用し手段として使用しない。実践的な。根底に自由があり人格の共同体の中に。道徳的行為が実践されるためには幸福をもたらすこと。徳が幸福と一致する。最高善がありうるためには魂の不滅が。神は実践理性により実践されるための。実践理性批判の結論。新たに畏敬の念を。天空と道徳法則。カントの墓碑銘にも。自然法則が支配する宇宙を越えて生きる。理論理性と実践理性はどう関係するか。「判断力批判」。両者を媒介統一する。心の働きは知情意に分けられている。知と意を媒介する。原理は目的性でそれが客観的なときは目的論的判断を。主観的なときは美的な。美は自由な活動から。自然には大きなものなど。崇高なものを。古代ギリシア以来の美と目的論的な。判断力が理論理性と実践理性を媒介。機械論的な近代の自然科学では失われたものを。主観客観の二元的なものを越えて。理性の限界内の宗教。自由な存在であるが故に道徳原理に反することも。罪を悔改めよと言ったキリストは理想像。道徳を完成させるために神を論じる。神の存在証明は否定されるが。カントは大学で。厳密性と体系性を。行為し感じて信じる人間主体の有り様や有限性を。
カント哲学の広がり。批判哲学ではない。問の形でカント自身が。哲学の領域。何を知ることが出来るか。何をすべきか。何を希望して良いか。人間とは何か。論理学に因る。純粋理性批判。実践理性批判。宗教論。経験自然学と経験人間論。水。陸。大気圏、地球。陸地に含むもの。地理学的区分による。アジアの項ではケンペルの日本史からかなり詳しく。人間学では理性的存在としての人間。自らを開化し文明化し道徳化。生涯をケーニヒスベルクで過ごす。首都であったので世界各地の情報が。世界市民主義。フランス革命で各地で戦争。平和を希求していて「永遠平和のために」。啓蒙主義の社会哲学を踏まえて純粋共和政。立憲国家を。世界市民法を構想。世界国家は実現性に乏しい。自由な諸国家の連合が。国家や民族を異にする。
歴史哲学と疾風怒濤運動。ヘルダー。啓蒙主義では絶対者は把握できないと。リガで教師となり文芸評論などを。25歳から歴史哲学の構想を。人類の起源と歴史。民族に思いを馳せて。人間性形成のための歴史哲学。人類歴史哲学考。異なる文化共同体の民族で構成。実際に旅行して各地の違いを実感。各地の文芸を論じていて風土の多様性を。ゲーテと出会い大きな影響を。疾風怒濤運動につながる。啓蒙主義とは異なる流れ。
イギリス産業革命アメリカ独立宣言フランス革命。18世紀後半は大きな変革が。産業革命。繊維部門で機械による24時間操業。機械技術の発明。蒸気機関。生産性は飛躍的に上昇。労働者が長時間労働を。労働者が周辺に住んで産業都市が。19世紀になると蒸気機関車や蒸気船が。国内だけでなく海外の植民地と容易に行き来できるように。原料を植民地から。販売も世界中で。政治社会上でも大きな革命。イギリス植民地は13の植民州が。独立戦争。基本的人権と革命権。フランスでは大革命。1789年1月にパリ民衆がバスティーユを襲撃。農民の反乱。封建的諸権利の廃棄と人権宣言。国家形成の基本原則として市民的諸権利を保障。近代憲法の殆どに影響。世界人権宣言まで。1791年憲法。国民主権などブルジョア国家原則を。急進派の独裁に。国王を処刑。干渉戦争からナポレオンが皇帝に。諸外国の反革命軍に対し義勇軍が。国民からの徴兵で国民軍が。フランス革命の成果。1804年のナポレオン法典。所有権の絶対化など。近代資本主義の要請。国民国家ナショナリズムという意識。1807年にプロイセンがナポレオンに敗れる。フィヒテ。将来に国家の再建を。ヘーゲルは精神現象学を刊行。
ヘーゲルの哲学。1770年にドイツに産まれる。神学校から哲学に転じる。フランス革命の報を聞いて。ルネサンスの自然哲学と生命的存在の一元論。根源の神が己を2つに分裂させる。自己認識の達成。自己を減少させるが分裂しながら統一。弁証法を考える。宗教論から概念的に。真なるものを主体として捉え表現する。精神は自ら他者になり初めて己を現実に。精神現象学は精神が己を自覚する過程を。意識、自己意識、理性の3段階。最後の理性を分ける。宗教など4つに。意識は対象意識。自己意識の登場。自らが真理であることを証明する。理性に移行。前実在。人倫。自己革新的精神。道徳性。キリスト教の神が理性と。神の表象が概念的に把握される。「法の哲学」。権利契約道徳。カントのように主観的なものを批判して、人倫という具体的共同体を法の基盤として。自由な人格が前提。身体などの処分。欲求と労働の分化。外的な事物と一定時間内の労働を。個人の権利を支えるものは相互承認。相互関係は分業と交換を媒介とした相互依存。経済法則と見えざる手。市民社会に内在する権利や法を自覚的に保障するのが国家。人格としての存在が国家に。社会契約論を批判。市民社会と国家が分裂。対外主権として戦争論。国際法。最後に世界史を論じる。全ての人間が即時的に自由であることをゲルマンは知っている。理性に因る啓蒙主義的な進歩史観から転換を。19世紀初期のヘーゲルの哲学は歴史的に捉える。体系化された観念論哲学を批判して実存思想が産まれる。現代哲学へ転換。

 

哲学・思想を今考える―歴史の中で (放送大学教材)

哲学・思想を今考える―歴史の中で (放送大学教材)