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リベラリズム批判の公共哲学(2) -マッキンタイアの徳倫理学(公共哲学第5回)

近代について否定的になるのも、思考実験としては面白いのかもしれない。

 

哲学的失敗?ロールズやノージックは情緒主義。道徳の理論を正当化する方法が違う。それぞれが主張をしているだけ。近代の啓蒙のプロジェクトの失敗。近代に特有の問題。歴史的に失敗していると思っていない。根本的問題。道徳哲学の問題。近代ヨーロッパの道徳哲学者。伝統から道徳の語彙の断片を受け継いでいる。内容を断片的に。文脈を外して。世界観。近代以前は目的論が埋め込まれていた。アリストテレスが典型例。近代は機能論。唯物論?事実と当為の分離が承認された。しかし必ずしもそうではない。生まれた際の機能があるのを認めるならば、そこから当為を出すのは問題はない。事実と当為の分離の選択。近代特有の人間観。個人が先ずあって。社会関係に先立って。個人であることは同時に何らかの役割を果たすものであるのに。コミュニタリアンにとってアトミズムとして表現。個人は解放の結果なのか無力になってしまったのか。解放の方向ばかりを協調して無力化を忘れてしまっている。
マッキンタイアの近代哲学の理解。伝統の諸断片を。近代の哲学者たちの道徳の枠組をどのように引き受けたか。未教化の人間本性。現実の人間像。自らの目的を実現したなら可能になる理想の人間像。道徳の完成の目標。道徳の教え。現実の人間像から理想の人間像への移行を可能にした。徳倫理学を復活させる。近代の問題性。理想の内容を無くしておきながら。恣意的にならざるを得ない。目的論を無くしても美徳を。そういう矛盾。直感に訴える道徳哲学を。目的論。人間の理想を欠いたものは合理性を欠いている。恣意的な意志を隠蔽する。極めてニーチェ的な糾弾。アリストテレスを選択。徳倫理学の復権。様々なバージョンが。新約聖書など。様々な合理的な選択を。アリストテレスこそが合理的。アリストテレス徳倫理学。善と良きものを中心に。人間にとっての目的。幸福。実現に必要なものが美徳の所有。美徳の行使。共通善の実現。個人の徳と同時に。ポリスという共同体の善。政治社会の全体の利益。共通善の実現に貢献。精神的特質を身に着けて実現するために必要なのがポリス。ポリス的動物。具体的な場所がポリスという政治共同体。人間の卓越性を美徳と。現代の倫理学と比較。ルールより判断力を重視。どんな人間かの方が重要。友愛。古代はパブリックなもの。古代の理想をそのまま現代に?時代的制約にも自覚的。道徳的にも擁護不可能なものを。ポリスという具体的古代都市が前提。アリストテレスの実現は難しい。プラトン主義の継承。都市を構成する部分。悲劇を積極的に理解する契機が弱い。現代的に改善。アリストテレス以外の伝統。カソリック。カソリック主義者。キリスト教的な歴史観。アリストテレスにはない。現代の中にアリストテレスを再現するのに重要。
近代の道徳哲学の問題性。代替案としてアリストテレスの徳倫理を。そのままは実現できないだろうが。アリストテレス的ものを前提としながら。徳倫理そのものを分離。徳倫理学のメタ理論を。実践の概念。物語秩序。伝統の概念。どのような形で徳倫理学が実現できるか。実践とは?首尾一貫した協力的な人間活動。複数の人間が一緒に。在る種の良きものが実現しているということと、卓越性の基準。スポーツやゲームのようなものが実践と呼べる。達人が生まれる共同の活動。一個の実践。個々の行為は実践ではないが。集まると実践に。レンガ積みは実践ではないが建築は実践。アリストテレス的政治は実践。外的な善。スポーツで稼ぐ金銭。内的な善。実践に固有な卓越性の獲得。優れたピッチャー。稼ぐのは個人の利益だが、卓越性を持つ技術を持つのは試合全体での利益に。内的な善があるのが実践。内的な善の特徴。具体的な実践を。通してでなければ。参加という内側の経験が必要。実践のジレンマ。医者が医療という実践でカネを儲ける。本質的善が失われる。腐敗。しかし外的な善が必要になる。共通善の感覚が養われる。内的な善の重要性。物語秩序の重要性。様々な実践に。仕事や趣味など。善の対立の可能性。自らの生を理解する。物語を使って。探究として表彰される。探究としての人生の生き方。物語的秩序を作るのに伝統が不可欠。自己は道徳的なアイデンティティを。メンバーであることで。物語秩序を持って生きる人は。共同体論、自我論。自己のアイデンティティの準拠枠。近代国家に否定的。ロールズやノージックと好対照。善の探究は特殊な共同体が前提?自分の利益の追及が全体の利益の追及に。在る種の進歩主義。伝統概念。未来に向かって開かれている。在る種の普遍主義者の議論を否定しているが、普遍をいきなり持っていくのが駄目だとする。具体的な共同体の中での自分の物語を。ヘーゲル的物語を。閉じられていない未来に向かって開かれている。
アリストテレス的徳倫理学が実現できるか。復権の持つ意義。復古主義的だが合理的な議論が。意味のある人生を。目的概念抜きに理解できない。美徳というものを考える倫理学の必要性。国家以外の共同体への参加。ロールズやノージックの考える国家とは別の公共圏。内的な善を理解して発展させる。リベラリズムの公共哲学への挑戦。個体として生きるのを強調するのは、連帯を掘り崩すのではないか。共通善の追及なしにリベラリズムは成立しうるか。

 

公共哲学 (放送大学大学院教材)

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