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等加速度運動と加速度の定義(初歩からの物理第2回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

では、こちらにあるのは、実際にガリレオが400年以上前に行った実験装置を模したものです。早速、この実験を実施してみましょう。

まず、実験用ボールを転がすところから始めます。この実験では、ボールが転がる際の加速運動の様子を観察します。ガリレオは、実際に転がる物体の動きを遅くし、観測しやすくするために斜面を使用しました。次に、途中で鳴る鈴についてですが、これは重要な役割を果たしています。

ガリレオは、鈴の位置を調節し、音が鳴る間隔を一定にすることで、物体が一定時間ごとにどれだけの距離を進むかを確認しました。この過程で、加速度の概念が登場するのです。

実際に式に当てはめてみましょう。距離 x(t)x(t) は、比例定数 cc と時間 tt の2乗に比例します。このことから、次の式が成り立ちます。

x(t)=ct2

そして、この式を利用して、微分計算で瞬間速度を求めてみましょう。具体的には、次のような手順で行います。

  1. 時刻 ttt+Δtt + \Delta t における距離 x(t)x(t) と x(t+Δt)x(t + \Delta t) の変化量を計算します。
  2. 微分を行うことで、瞬間速度 v(t)v(t) を求めます。

この微分を用いることで、速度が時間とともにどんどん速くなる「加速運動」を理解できます。これは、ガリレオが見つけた斜面上の加速運動の本質を数式で表現したものです。この加速度を aa と表すことで、以下の重要な運動方程式が導かれます。

x=12at2

この式は、物理教科書に「等加速度運動の基本式」として紹介されているもので、ガリレオの斜面の実験から得られた結論の1つです。