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ガリレオの落下運動実験と物理学の革新(初歩からの物理第2回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

「さて、皆さん、ガリレオ・ガリレイが行った重要な実験についてお話ししていきましょう。この実験は、近代の自然科学が数式を使って現象を説明する基礎を作ったものです。後に、ニュートンやライプニッツが微分積分を用いて運動を捉える手法にもつながった歴史的な実験ですね」

「物理学で最も重要なテーマの一つ、それは『運動』を理解することです。小さな子供でも、動くものに強い興味を持ちますよね。動く物体を捉え、『なぜ動くのか』『どのように動くのか』といった疑問を探求することが、物理学の根本的な動機なのです」

「そういえば、最も身近な『運動』として何が思い浮かびますか?」

「そうですね、物が落ちる運動ですかね。」

「まさに『落下運動』ですね。アリストテレスは、物体が地球の中心に『戻るべき自然な場所』があり、そこへ戻るために落下すると説明していました。しかし、現代の視点から見れば、これは正確ではありません。そこでガリレオは、『実際に何が起きているか』を観察し、落下の速度を数値化してその結果を比較することで法則を見つけようとしたのです。これが1602年頃に行われた実験で、今から400年以上も前の出来事です」

「でも先生、物が落ちる速度はかなり速く、人間の目には観察しにくいですよね。どうやって観測したんですか?」

「ここで、ガリレオの天才的な発想が生まれたのです。『速くて観測が難しいなら、落下を遅くすればいい』と考えました。そして、どうやって遅くしたかというと、斜面を使ったのです。斜面でボールを転がすことで、重力による運動はそのままに、速度が遅くなり、観察しやすくなりました」

「なるほど!やり方を変えて、運動を観察可能にしたんですね」

「そうなんです。ガリレオは落下のスピードを遅くすることで、物の運動を観測し、より理解を深めるための工夫をしたわけです」