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物理学で数式が必要な理由と学び方(初歩からの物理第2回)#放送大学講義録

ーーー講義録始めーーーー

 

「さて皆さん、"物理"と聞くと、数式がたくさん出てきて理解が難しいというイメージはありませんか?」
「自然現象の仕組みに興味があっても、数式が出てくると苦手意識を感じる方も多いでしょうね」

「たしかにそうですよね。そもそも、なぜ物理には数式が必要なのでしょうか?また、この科目を理解するためには、どれくらいの数学の知識が必要なのかも気になりますね」
「今回は、このテーマについて詳しく見ていきましょう」

「ではまず、物理学ではなぜ自然現象を数式で表現するのでしょうか。数式を使うことで、私たちは自然の法則を共有できるようになるんです。もし数式を一切使わないとしたら、現象の具体的な内容を伝え合うのは非常に難しくなってしまいます」

「そうですね。たとえば、『大きい』『小さい』『暑い』『冷たい』といった言葉だけでは、具体的にどれほどの差があるのかを伝えるのは難しいですし、比較もできませんよね。もし比較をするなら、量を測る必要が出てきます。そして、量を測ると数値が得られます。この数値を扱うには、やはり数学が必要になるのでは?」

「その通りです。近代科学の先駆者であるガリレオ・ガリレイは、物理現象を『測定』し、結果を数値にするという考え方を導入しました。『何メートル』『何キログラム』といった具体的な数値で表し、さらにそれらの数値の関係性を考えました。このアプローチが、まさに数学的な発想です。そして、この方法が現在の自然科学の基礎となっています」

「そうか、それまではただ目の前の現象を観察して考え込むだけで、実際の答えを得ることは難しかったんですね」