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GROWモデルと生涯学習の支援策(成人の発達と学習第8回)#放送大学講義録

ーーーー講義録始めーーーー

 

そうですね。社会人になってからの学習は、個人の判断や決定によって行われます。生涯学習の基盤が整備され、自由な学習機会が提供されていても、その情報を入手し、学習を計画し、実行できる人ばかりではありません。学校や大学、企業といった組織を離れた後の学習機会は、個人の学習成熟度や自律度によって左右されるのです。

これまでの生涯学習施策は、GROWモデルが示す第4段階、すなわち自分で学習を計画し、実行し、評価できる自己決定的な学習者を前提にして考えられてきたように思います。しかし、そのような段階に達していない、依存的な学習者に対する学習支援のあり方についても考えていく必要があります。それは、従来の講義形式やドリル学習なども含めた多様な学習方法を取り入れることを意味します。

GROWモデルでも、自己決定学習は状況に応じたものであり、教師の役割は学習者の状況に合わせて教えるスタイルを調整することだと述べています。

確かにそうですね。実際、このように学習機会を自ら積極的に活用できる層とは別に、学習の場に参加できない、あるいは参加しにくい層が存在することにも注意が必要です。成人になってからの学習は個人の自由に任されるものであり、強制できるものではありません。しかし、GROWモデルが示すように、学習成熟度や自律性の低い人々には学習支援が必要とされることもあるでしょう。

雇用を確保し維持する必要に迫られ、新たな学習が必要であっても、情報を得る手段がなく、日々の生活に追われて学習の場から取り残されている人もいるのではないかと思われます。

学習は人生に対する前向きな働きかけであると言われますが、その働きかけができない状況や環境にいる人々は、私たちの目に見えないところで多く存在しているのかもしれませんね。