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支配の仕組み(総合人類学としてのヒト学第12回)

単線的に社会が進んでいくという考え方は一面的であることを認識しなければ。

 

赤堀雅幸。支配の仕組み。人が行う支配や政治。人は互いに繋がりより大きな集団を。全体の集団の意思決定を。支配。自分の意志を他の人に強制する。支配されるのは嬉しいことではない。民主主義の発達は不当な支配を避けるため。数多くの支配者を生み出し仕組みを。支配されることを嫌う中で歴史を。人の大部分を占める期間、バンドという集団を。狩猟採集の時代。バンドの中での役割分担などははっきり決まっていない。対等に分かち合う。平等主義的だった?チンパンジーの群れではオスの間に激しい競争が。厳しい自然環境には指導者が必要?他の生物と同様に子孫を残すのに熱心。狩猟採集の時代には集団の規模にかなりな制約が。複数のバンドに分かれる選択肢しかなかった。1万年ほど前に動物の家畜化。農耕牧畜。労働力という資源として。自然の産物には限りがあるが、人手をかければ多数の農産物が。氾濫原農業から灌漑農業に。より大規模で複雑な社会へ。支配の仕組みが形成。バンドとバンドを繋いで試行錯誤を。急に革新的な方法ができたわけではない。親子という血の繋がりと夫婦という血の繋がりのない関係。親子。20世紀前半のアフリカ。法や政府がない状態では相争うと思われていた。暴力を国家に預けるのではなくても無秩序に何故ならないか。法や国家がない社会に秩序が。血筋。祖先は誰であるか。父系血筋や母系血筋を合せて単型血筋と。分かりやすいのが利点。父系血筋なら父方の祖父は自分の一族。母方の祖父は自分の一族の人間ではない。同じ祖先を持つ者は仲間。単純化して。単型血筋を考える。たくさんのバンドに分かれた後も自分たちをより大きな社会の部分だと。部族。夫婦の関係から。縁組。Marriageアライアンス。婚姻による同盟。政略結婚と似ている?集団の殆どの人々が繰り返し。集団の維持をするのに外から配偶者を。日本でも婿取りや通婚はあるが、集団や集団には女性が移動するのが一般だった。女性が産む存在であり、子どもが重要な資源に。男性にその価値はない。貴重な女性を手に入れるのに、集団には敵意しか生まれないことも。そこで自分たちの集団の女性を与える代わりに。集団の間の友好関係を。最大の好意。見返りに女性に対して女性を返さないのなら大きな借りを。身内を存続させるのにほかから。世代を超えて体系的に交換することで小集団間の関係を整える。互いに与え合ったり、全体として交換のネットワークを。女性の交換には奉仕の提供が伴う。集団間の関係を深める。夫婦となる当人の意思は無視?複数の集団とペアを組んでいて、実際の交換は複雑な様相を。戦略を展開して本人の好き嫌いも考慮されていた。血筋と縁組。親子と夫婦という関係を論理的に拡張して。この段階では優越して支配する状況を見ることはできない。互いに対等であるのが一般的。アラブ系のベドウィンを調査。単型血筋の典型例。主人は神と私自身。ムスリムとベドウィンらしい気概。縁組による結びつき。交換だと対等。別である時は、妻を与えてくれる集団が優越する。どの集団にも貰う先と与える先があるので、突出して優越にはならない。部族には決まった支配者がいない。ベドウィンの男たちが集会を。絶対的強制力はない。多数を味方につける工夫が。素人に発言を求めることも。別のキャンプに移ることは稀ではない。説得による。支配権力には制度的なものが必要。小集団が優越して代表者が。首長制。土地であれ人であれ資源の動員と分配が必要。太平洋の東半分。ポリネシア。首長制。数多くの研究が。首長一族が直径の子孫であることが強調、如何に最初の血統を重視していても、競争の結果社会的に受け入れられるときに支配に。余剰生産物が生じていて、生産していない者も食べていける状態が。首長制の影響。階層化。平民などの区別。全体を束ねる首長の下の複雑な階層性。余剰生産物で政に。特殊技能が専門化。諸集団は均一ではないが相互依存を。財物の交換の体系化。首長が集め分配することが。再分配経済。イラン系などの遊牧民。移動経路の調整をする。シュルク系。突厥など。遊牧という農耕牧畜からの新しい。平等主義的な。モンゴル系などは良い広大な土地が。首長制では集団を代表する首長との関係で。構成単位の多様化。バルトの50年代の調査。ペルシャ語を母語として。他の母語の集団と首長制の次の段階が国家。様々な事柄が首長制と分かつ。兆しもあったが。絶対的違いがない?王と呼ばれるか首長と呼ばれるか。親子関係と夫婦関係の論理から離れて確実に制度として。バンドから部族、首長を経て国家に。資源の統御から。メソポタミアの場合は4000年。ビッグマンの研究。権力の限界について。能力でもって義務を与え余剰生産物を与える。影響力を増す。支持者を増やそうとするほど破綻せざるを得ない。限界は免れることのできない面を持つ。制度化することで顔役にまさる安定はあるが、受け入れてくれるよう配慮を。暴力にしても限りがある。暴力のみに頼って権力を維持するのは難しい。軍事力の淵源は小集団。遊牧民はとてつもなく征服運動を。戦利品を獲得する限り続くが。軍事力以外では効果的な役割を。遊牧民の首長が調整を。ナイルなどの大河川の流域の古代の諸文明についても。実際には王が細やかに考えたのは疑問だが。余剰生産物を配ることが出来る限りは。容認させる論理の問題。支配が血統により正当化されるのは一般的な考え方。日本でも。国家の下の集団が1つのものとして。建国の父や国父という表現。トルコの父。首長や王が。王権神授説。神の使徒。ムスリムの指導者に。王が神そのもの。天皇を現神と。クリフォードギアツ。王と貴族たちが主役。ヨーロッパ的政治理解を相対化。バリの王たちも権謀術数をしているが。神々の世界を。模範的中心の理論。主張や王の位の正当化。制度そのものの一体化。天照大神の化身。南スーダンの王国。15世紀に成立。シルク王国。王国の安定と直結。王殺しが。支配の仕組みが小集団が支配するのには留まらない。より大きな組織を。支配される側も喜びを見出すことがある。支配はいつかは破綻する。動的な関係。双方向性を。バンドから国家へ。新しくより複雑な仕組みができたからと言って、これまでの仕組みが時代遅れになったわけではない。進化論とは違う。国家の出現が。狩猟採集にとどまり続ける選択をする集団も。クラストル「国家に抗する社会」。バンドのもとに生きる人が国家の支配を過剰として退ける。中東の王朝の機能。少なくとも近代以前の中東は部族や首長と共存していて初めて機能。新しい可能性が増えた。仕組みの多様化。近代国家が一様性を背負う面で例外的。人類学の中の政治人類学。次回は近代というシステム。

 

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