-----講義録始め------
イオンの組み合わせを考えることで、多くの無機化合物の安定性を説明できます。例えば、CaCl2やAl2O3、SiO2などは、イオンの電荷バランスに基づく安定性によって形成されます。アルミニウムの場合、3つの正の電荷を持つAl3+イオンが2つあると、全体として6+の電荷を持ちます。これに対して、酸素は2-の電荷を持つO2-イオンが3つあり、合計で6-の電荷を持ちます。これらの電荷が釣り合うことでAl2O3は安定化します。
さらに、Al2O3の結晶は、クロム(Cr3+)に置き換わることでルビーに、鉄(Fe2+)とチタン(Ti4+)に置き換わることでサファイアに変わります。このように、イオンの種類を変えることで異なる色の宝石が生まれるのです。
しかし、周期表から直接、宝石の色を予測することは難しいです。実際に色を生み出すのは、特定の金属イオンであり、これらがどのように光を吸収し反射するかによって色が決まります。例えば、鉄(Fe2O3)がルビーやサファイアの色の一因であることが示されています。
このように周期表を活用することで、無機化合物の構成や性質について深く理解することができ、化学の不思議を探究する楽しみが広がります。