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バリアフリー現代長屋:高齢者向け住まい(暮らしに活かす不動産学第11回)#放送大学講義録

グループリビング「園の森」の説明の続きである。

 

------講義録始め------

 

あともう一つ、ここは現代版の長屋のような住まいを考えています。法人がサポートする以前に、入居者同士でさりげなく付き合うことをしたいのです。防音もしっかりしていないので、何かあったら壁を蹴っ飛ばすからね、と言って助けに来てくれるような関係を築きたいと思っています。

例えば、腰を悪くして湿布を貼るのが難しい時には、当番を決めて湿布を貼る役割を担うなど、緩やかな連帯感や支え合いができる住まいを目指しています。

そうしますと、こちらは新しい高齢者の住まいを提示されていると思いますが、どうしてこういった住まいをお作りになろうと思ったのでしょうか?

そうですね、日本の住宅は特に30年、40年前に建てられたものが多く、バリアが多い家に住んでいる方が多いです。玄関から外へ出られない、2階に部屋があると降りられない、2階はデッドスペースになっているなどの問題があります。バリアフリーだったら在宅介護が楽で、もっと住み続けられるのではないかと感じました。

バリアのない住まいを共有することで、できるだけ最後までここで暮らせるように、ご本人の希望に沿って住まうことができるのではないかと思い、実験的な住まいとして考えています。

うちの売りは、「ボラ」と略称で呼んでいる住み込みボランティア制度です。住んでいる方が隣のグループホームやデイサービス、少し離れた小規模多機能施設にボランティアとして関わっています。大雪でも降らなければ、傘もささずに行ける距離ですので、交流ができ、生きがいとなり、私たちもとても助かる関係ができています。

高齢期には多様な住まい方がありますね。